宮城学院女子大学はデスクトップ仮想化ソフトウェア「Citrix XenDesktop」を導入、2011年5月から稼働させている。現在、クライアントPC150台分の環境がXenDesktopで仮想統合されている。ネットワールドが2月14日に発表した。リコージャパンがシステムを構築している。
同大学は校内3カ所の情報教室に約300台のクライアントPCを導入して、講義などに活用していた。しかし東日本大震災で約半数が壊滅的な被害を受け、使用不能にならざるを得なかった。
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クライアント環境を復旧させるために、大量のPCの運用管理負担増大、セキュリティの強化などの業務課題も同時に解消することを決断。通常のPCを端末として利用する従来の方式を改め、XenDesktopとシンクライアント端末によるデスクトップ仮想化に踏み切っている。
従来はPCへのソフトウェア導入、OSのアップデートなどの作業を1台ずつ人手で展開していたため、運用管理に工数と時間がかかっていた。今回デスクトップ仮想化をした端末については、XenDesktop上で一元的に管理され、環境構築や展開作業のスピードアップと省力化を図ることができたとしている。
通常のPCを端末として利用する場合、管理者に把握されていないソフトウェアのインストール、端末からのデータ持ちだしなどが課題とされている。同校でも悩まされていたというが、デスクトップ仮想化によりセキュリティリスクを軽減できたとしている。
大学の教育、研究活動では、動画や音声などのリッチコンテンツを利用する機会も少なくない。XenDesktopでは、高品位なユーザー体験を提供する「HDXテクノロジ」を搭載しており、そうしたニーズにも対応できるという。同校の場合、事前の検証作業などで、情報教室内の全端末から一斉に動画サイトにアクセスするテストを行っているが、どの端末も問題なく動画を再生できたとしている。