「Javaを大きく前進させる」--7年振りの開催となるJavaOne Tokyoにかけるオラクル

柴田克己 2012年02月21日 11時45分

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 日本オラクルは、4月4日と5日に六本木アカデミーヒルズで開催する「JavaOne Tokyo 2012」(「Oracle OpenWorld Tokyo 2012」と同時開催)に関する報道関係者向け説明会を行った。

 日本オラクルのFusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部シニアマネジャーの伊藤敬氏は、JavaOne Tokyo 2012のメインテーマが2011年10月に米国で行われたJavaOneのテーマと同じ「Moving Java Forward」となることに触れつつ、「開発者の中にはここ数年のJavaの状況に停滞感を感じていたという意見もあり、それはわれわれも認識している。このメインテーマは改めて“Javaを前進させる”という強いコミットを示すものである」とした。

伊藤敬氏
伊藤敬氏

 JavaOneの日本での開催は、実に7年ぶりとなる。伊藤氏は「今後のJavaが示す新たな方向性を、日本の開発者に直接理解してもらいたいという思いの表れ。また、Oracleとしても、開発者人口の多さ、Javaのテクノロジをさまざまな分野でまんべんなく活用している点で、日本を特筆すべき市場と認識している」とした。

Java SE、EE、MEの今後は? JavaOne Tokyo 2012のトピック

 JavaOne Tokyo 2012では、主に米国のJavaOne 2011 San Franciscoで発表された内容をベースとして、Javaの最新動向と今後のロードマップが示されるという。

寺田佳央氏
寺田佳央氏

 日本オラクルのFusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部シニアJavaエバンジェリストの寺田佳央氏によれば、主にクライアント向けのJava環境であるJava SEについては、2011年7月にリリースされた「SE 7」、そして2013年夏にリリース予定の「SE 8」に関する最新の動向が示されるという。

 「Java SE 7では、開発生産性の向上や新たなハードウェア機能の効率的な活用に焦点を当てたことに加え、InvokeDynamicにより、Java VM(JVM)がJava言語だけにとどまらず、JRubyやJavaScriptなど、さまざまな言語に対応するプラットフォームとなっていく道筋が示された。また、2013年にリリース予定のJava SE 8では、JVMへのJavaScriptエンジンやJRockitなどの取り込み、Javaモジュール化システムの“Project Jigsaw”など、大幅な刷新が予定されている。さらにその後、JDKについては2年周期でアップデートしていくというロードマップが示されている」(寺田氏)

 エンタープライズ向けの開発基盤である「Java EE」については、2009年にリリースされたJava EE 6において、多くの開発者のニーズに応える形で、全体的な軽量化や開発生産性の向上といった課題への対応が行われた。ウェブアプリケーションの開発実行に必要な環境だけをオールインワンで提供する「WebProfile版」などの実現も、そうした成果のひとつという。また、次期バージョンとなるJava EE 7では、エラスティック性の強化、マルチテナンシーへの対応など、「クラウド」プラットフォームの構築基盤としての機能強化が予定されており、そのロードマップについてもJavaOne Tokyo 2012で紹介が行われるという。

関谷和愛氏
関谷和愛氏

 組み込み環境向けの「Java ME」の現状については、日本オラクルのJava Embedded Global Business Unit プリンシパル・セールス・コンサルタントの関谷和愛氏が説明を行った。

 現在、ICカードから携帯電話、テレビやBlu-ray機器などの家電製品に至るまで、多くの組み込み環境で利用されているJavaだが、現状の課題として、多様な環境に対応させる必要性から、複雑さが増してしまった点があるという。関屋氏は「現在の環境を、2013年に予定されている次のリリースで整理する」ことが計画されていると話す。具体的には、ICカードや携帯電話向けの「Java ME 8」をリリースし、それ以上のフットプリントを持つ機器については、クライアント向けの「Java SE 8」に統合するというロードマップだ。

 また、これまで以上の組み込みJavaの活用範囲拡大を目指し、スマートグリッド、ヘルスケア、インダストリオートメーション、M2M、ホームゲートウェイ、デジタルサイネージといった分野への導入を進めていくという。JavaOne Tokyoでは、カード、モバイル、テレビといったこれまでのコアエリアに加え、今後のロードマップや新たなマーケット、事例や応用例の紹介、新たなJava搭載デバイスの展示などを計画している。また、Java SE 8以降にその要素として取り込まれる予定のリッチクライアントソリューション「JavaFX」についても、多くの情報が提供されるという。

  • 「Java EE 6」では、ウェブアプリケーション向けの機能だけをパッケージングした軽量なWebProfile版が提供されている。近年人気を博すウェブ開発フレームワークが持っている利点をJava EE自体に取り込むことを目指したものだ。

  • 組み込み向けJavaの環境は、2013年の「Java SE 8」「Java ME 8」のリリースに合わせて、現在よりもシンプルに整理されるという。

 今回のJavaOne Tokyo 2012では、本社からも多くのJavaテクノロジのキーマンが来日する。Java SE分野では、スペックリードのAlex Buckley氏。Java FXについては、開発総責任者のNandini Ramani氏、チーフアーキテクトのRichard Bair氏が講演を行う予定だ。

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