インターネットイニシアティブ(IIJ)の100%子会社であるIIJグローバルソリューションズは2月21日、SaaS型のマネージド映像会議システム「COLLABO de! World」を4月から提供することを発表した。IIJのクラウドサービス「IIJ GIO」とシスコシステムズの映像会議端末を活用している。
COLLABO de! Worldは、シスコの映像会議端末と映像会議の利用に必要な国内外のネットワークやデータセンターの設計、調達、導入、運用とヘルプデスクをワンストップで提供するフルマネージドサービス。グローバルビジネス拡大のための海外拠点とのタイムリーなコミュニケーション、事業継続のための在宅勤務者との緊急コミュニケーション、自席PCからの会議への参加などのシーンでメリットを発揮するという。
映像会議システムに必要な拠点と中央の機器を世界各国で提供する。シスコ製品のラインアップを用意し、ユーザー企業の要件や環境にあわせて機器を選択できる。初期投資を抑えるためにオペレーティングリースなどでも提供できることから、資産を保有せずに映像会議システムを展開できるとしている。端末はシスコのテレプレゼンスが中心となっている。
拠点と中央の機器の初期設定や運用監視をIIJグローバルが担当する。中央の装置はユーザー企業の拠点以外にIIJグループのデータセンターにも設置できる。必要なネットワークのアウトソーシングサービスとあわせて利用すれば、映像会議システムの設計、調達から導入に至るまでをトータルに提供され、ユーザー企業の運用管理負担を低減できるとしている。
5月からはコンシェルジュサービスも提供する予定だ。同サービスは、ユーザー企業の管理者だけでなく、エンドユーザーへのサポートも直接提供する。システムの使用法への問い合わせ、会議予約の支援、障害受け付けなどに24時間365日で対応する。
7月からは、多地点接続サービスも提供する予定としている。同サービスは、映像会議の多地点接続機能を共用のクラウドサービスとして提供するもの。中央の機器をIIJグローバルがサービスとして提供することで、ユーザー企業は高額な多地点接続装置(MCU)を購入せずに、企業内や企業間で多地点から接続される映像会議を、より安価に利用できるとしている。
数年前からシスコをはじめとする映像会議システムベンダーは、より臨場感を出せることを大きなメリットとしてテレプレゼンスを提供している。だが、テレプレゼンスは、広い帯域幅を必要とすることから、導入後にどうやってネットワークを安定的に制御するかが課題となっていた。最近では、NECが貸し会議室のTKPと提携して提供、ウェスティンホテル東京がテレプレゼンスの時間貸しサービスで提供するなどの施策を展開している。