自由なプラットフォームは俊敏性を向上させる
そもそも、仮想化技術を中心としてIaaS分野で強みを持つヴイエムウェアがPaaSに注力する意図は何なのか。シャネゾン氏はその点について、ユーザーの俊敏性を向上させ、生産性を高めるというニーズに応えるものだと話す。
同氏によると、ハードウェアについてはCPUの性能向上や仮想化技術などにより生産性が年々高まっているが、ソフトウェアはそうなっていないという。むしろ、製品やサービスのライフサイクルとリードタイムが短くなり、いかに俊敏にリリースしていくかが問われる時代にあって、開発者の負荷はより高まっている状況にある。そのため、「製品開発における俊敏性を高め、開発者の生産性を高めるには、インフラストラクチャではなく、もう一段上のプラットフォーム上での取り組みが重要になってきた」(同氏)という。マルチ言語、マルチサービスへの対応やオープンソースという提供形態もそうした意図のもとで進められているものだ。
パトリック・シャネゾン氏
また、オープンソースとプロプライエタリなソフトウェアでどのくらい俊敏性に差があるかについては、PHPのサポートを例に挙げてこう説明する。
「Google App EngineでPHPをサポートしてほしいという要望があったが、3年かかって出た結論は『サポートしない』だった。一方、Cloud Foundryでは、要望があってからわずか2週間でPHPがサポートされた」(同氏)
Cloud Foundlyは、公開から1年もたっておらず現在もベータ版での提供だが、ユーザーの関心は非常に高いという。特に、日本国内ではすでにCloud Foundryを用いたプライベートクラウドを構築している楽天をはじめとして、ユーザー企業の開発者、PaaS提供事業者などの取り組みが活発化している状況だ。
仮想化ベンダーからプラットフォームベンダーへと軸足を移すヴイエムウェアの中核を担うサービスとして今後の展開に注目が集まる。
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