日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2月29日、ビッグデータ事業の大幅な強化を発表した。社内横断組織「ビッグデータ タスクフォース」を新設したほか、分析とバッチ処理のコンサルティングサービスを提供する。
「HP ビッグデータ分析コンサルティングサービス」は、非構造化データ分析のプランニングからロードマップの策定、データマイニング処理基盤の設計と構築、運用までをワンストップで提供する。「ディスカバリーワークショップ」「分析支援コンサルティングサービス」「分析システム導入支援サービス」「分析システム運用支援サービス」などのフェーズからなり、ビッグデータをビジネスに役立てる初期の段階から企業を支援するものだ。
「HP ビッグデータバッチ処理高速化コンサルティングサービス」は、これまで同社がノウハウを蓄積してきた分散処理技術「MapReduce」によるバッチ処理高速化の実績をもとに、ユーザーの環境に最適化されたバッチ処理高速化システムをテスト評価環境も含め提供し、導入後の運用支援も行う。バッチ処理の肥大化などに関する悩みを抱える企業を対象に、バッチ処理の「高速化コンサルティングサービス」「高速化システム導入支援サービス」「運用支援サービス」を展開する。
日本HP 執行役員 テクノロジーコンサルティング統括本部長 有安健二氏
同社執行役員でテクノロジーコンサルティング統括本部長の有安健二氏は会見で「ビッグデータは90年代のインターネット登場に匹敵するような一大イノベーション」と述べたうえで、「ソーシャルメディアが生成する膨大なテキスト情報をはじめ、PCや各種センサなどの機器が生成するデータをビジネスに生かすためには、新しいテクノロジが必要」とサービス開始の背景を説明した。
また有安氏は同社ならではの強みとして、必要な機器やネットワーク、複数の分析ソリューション等をワンストップで提供可能なベンダーであること、Hadoopなどのオープンソースソフトウェアを活用することでベンダー依存からユーザーを解放できること、社内600人超のコンサルティングによるサポート体制などを挙げた。また最も重要なポイントである非構造化データの分析力においては、この領域の強化を狙って買収したAutonomyが大きな役割を果たすことも強調した。
同社は顧客のビジネスにおいてビッグデータの効果的な活用支援を行うため、社内の技術者やコンサルタントを中心にしたビッグデータ タスクフォースを設置。営業やマーケティング体制を強化し、ビッグデータ関連ビジネスを推進していく計画だ。