ビジネス端末からのソーシャルメディア利用については、過半数が「無制限で許可している」という。71%は自社開発の専用モバイルアプリを検討しており、59%はモバイルで基幹業務アプリを利用、66%が社内専用アプリストアの利用を検討または導入済みであった。これらの結果から金野氏は「モバイル端末はビジネスの敏捷性や効率化が期待されており、実際に期待通りの成果が得られている」と説明する。
その一方でモバイル端末という新技術にもリスクがない訳ではない。コンピューティング戦略におけるリスクを見ると、「モバイルコンピューティング」が41%と最も多く、「クラウドコンピューティング」が35%で続いた。新たなツールが新たな脅威としても認識されているのである。
モバイルコンピューティングにおける課題には「バックアップと復元(45%)」「エンドユーザーのサポート(39%)」「デバイスの紛失や盗難の軽減(38%)」が上位を占めた。モバイル端末管理の重要性が認識されているのである。
モバイルコンピューティングによって過去12カ月間に被った損失については「生産性の低下」が33%と最も多かったが、これは「企業、顧客または従業員の情報の漏えい(23%)」「ブランドや評判の失墜(21%)」「訴訟費用(19%)」「株価の下落(9%)」などの結果であるという。損失の合計金額は「収益の減少」で3000万円弱などとなっている。
金野氏は、モバイル端末は今や重要なビジネスツールであること、モバイル戦略がITリソースに大きな影響を与えていること、モバイル導入のリスクが企業に影響を与えていることを挙げ、推奨事項として広範囲な導入、戦略的な考察、効率的な管理、包括的なセキュリティの確保などを挙げている。