インターネットで暗躍する3種の敵--防御の第一歩は「敵を知る」こと - (page 3)

Patrick Lambert (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2012-03-09 07:30

政府

 最後に紹介するグループは、知って驚く人もいれば、ごく当たり前だと思う人もいるかもしれない。それは政府である。世界中の多くの政府が、攻撃ツールや攻撃要員に膨大なリソースを割り当て、標的国に対して積極的にオンライン攻撃を仕掛けているのは疑いようのない事実だ。Hypponen氏も、かつて東ドイツ政府が行っていた悪名高きタイプライター登録制度を紹介していた。東ドイツ政府が同制度を作った目的は、自分たちが気に入らない内容が印刷されて出回った際に、作成者を特定できるようにすることであった。西側諸国はこの制度の存在を知って戦慄を覚えたものだ。しかしながら、今日でもすべてのレーザープリンタのメーカーは、個人用のプリンタで印刷されるすべてのページに密かに情報を書き込み、どのページであっても印刷者を特定できるようにしている。もっとも、これは紙幣の偽造を防ぐためのセキュリティ対策であるため、文句を言う人など誰もいない。だが、実際の攻撃となると感じ方が変わってくるのではないだろうか?政府は企業や個人のコンピュータのハッキングなどには手を出していないのだろうか?もちろん、政府はハッキングを行っている。昨年には、政府機関が「Stuxnet」を用いてイランの核施設に侵入した際の方法が明らかにされ、そういったことを行うためにはドライバのデジタル署名といった極秘情報を機器製造企業から入手する必要のあることも公にされている。それでも、敵国の原子力施設にウイルスを送り込む際に使用されたデジタル署名用の秘密鍵が、いったいどういった出自なのかという観点から不安の声を上げた人はほとんどいなかった。もちろん、政府の極秘機関がそういったものを濫用するはずはない。そうだろう?

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