ブロケード コミュニケーションズ システムズは3月8日、エンタープライズ/キャンパスLANスイッチ製品「Brocade ICX 6430」と「Brocade ICX 6450」を発表した。新製品では導入と管理について自動化と簡素化を向上させる新たな技術を盛り込み、「管理の手間をできるだけ少なくし、運用コストを抑制」(同社代表取締役社長の青葉雅和氏)することを図る。
Brocade ICX 6430/6450は、それぞれ24ポートおよび48ポートの1GbEモデルがあり、1/10GbEのデュアルパーパス・アップリンク/スタッキングポートで、最大384ポートまでのスタックが可能。今回の製品は、スイッチ群に新たに設置されたBrocade ICXスイッチを自動的に検知する機能が搭載されており、ネットワークの導入と管理を簡素化する。IT部門の担当者は、ネットワーク上にあらかじめ用意された設定に基づいて、スイッチを自動的に設定できるという。
省電力型のイーサネットであるEnergy-efficient Etherne(EEE)やリンクレベルのデータ保護を可能にするMACsec暗号化技術などにも対応している。基本的にBrocade ICX 6430はL2スイッチであり、同6450はL2/L3スイッチだ。価格はオープンだが、参考価格はBrocade ICX 6430が1295ドルから、同6450が2695ドルから。出荷開始は3月19日。
今回の新製品には、2つの新たな技術が適用されている。
ブロケード代表取締役社長の青葉雅和氏
「シングル・ポイント・マネジメント」は、すべてのアクセス・スイッチング・レイヤを一元的に管理できる機能だ。複数のスイッチについて、初期導入から各種設定作業、ソフトのアップグレード、監視までを、単一のスイッチであるかのように管理できる。たとえば、建物内の別々の階にあるスイッチを統合的に管理できるという。
同社エンタープライズ・システムエンジニアリング本部 本部長の村田眞人氏は、「プロビジョニング、設定、日々のオペレーション、バージョンアップなどの作業が簡素化され、管理コストを低くすることができる」と話す。また、ネットワーク停止の最大の原因である人的エラーの発生を抑制、可用性を向上させることも可能だとしている。同社によれば、この機能はネットワーク管理者が1つのCLI(Command Line Interface)コマンドでキャンパス規模の共通ポリシーをネットワークエッジへと適用できるようにすることで、人的エラーを最小限に抑え、法令順守を強化することにもつながるという。
「ミックス&マッチスタッキング」は、基本的なエントリーレベルのスイッチと、高機能なスイッチを混在させてスタックを構築できる機能だ。これにより、同一スタック内にある高度なスイッチの先進機能をエントリーレベルのスイッチにも適用させることが可能になる。
ブロケード エンタープライズ・システムエンジニアリング本部 本部長の村田眞人氏
村田氏は「安価な製品から導入し、必要に応じて一部に高機能製品を追加することで、スタック全体を高度化することができる。すべてを買い換えなくても良いため、スイッチインフラの寿命を従来の3〜5年から7〜10年程度に延ばすことができる」としている。
ただし、これら二つの新技術が利用可能になるのは2013年上期から。ソフトウェアのアップグレードを通じて提供される予定だ。
青葉氏は「最近のLANが抱える課題は、最新技術をいち早く採用することや、急増するトラフィックへの適切な対応、高信頼性の確保、管理負荷の低減化などであるといわれている。今回の製品は、これらへの解決策になると考えている」と述べた。