--RSA エグゼクティブチェアマンのArt Coviello氏が基調講演で話していたインテリジェンスベースのセキュリティだが、RSAはすでにこの戦略で求められる技術をすべて持っているのか
インテリジェンスベースのセキュリティという考えはまだ新しい。(関連記事:RSAカンファレンス開幕:「セキュリティに対する考えを変えよ」とコビエロ氏)
RSAがNetWitnessに興味を持った理由のひとつに、我々が2年前に「NetWitness Live」というフレームワークを作ったことがある。これはクラウドベースのプラットフォームで、数多くの情報源からセキュリティコンテンツを集約、分析し、組織内のネットワークやログデータとリアルタイムに融合してインシデント対処時間の短縮や脆弱性の減少に結びつけるものだ。
すでにRSAはインフラ構築など多くのバックエンドの問題を解決した。2012年は現在の製品を拡張し、インテリジェンスベースの分析までできるような製品を提供していく。
--セキュリティ業界がインテリジェンスベースのセキュリティという方向性に向かっていることはわかったが、ユーザー側にはどの程度この考えが浸透しているのか
新しい考えや技術が出てきた時、通常はリーダーから取り組む構図となる。政府機関や銀行最大手、重要なインフラを持つ電力会社や電話会社などといった組織は、リソースや人材が潤沢で問題解決にじっくり取り組む余裕があり、新しい技術に対する動きも速い。このように一歩先を行く組織が新しい技術で受ける恩恵を伝えていくことで、余裕のある他の組織も続いてその技術に興味を持つ。
一方、中小企業に対しては、サービスプロバイダーが新しい技術を提供することになるため、サービスプロバイダーにとっての機会が拡大するだろう。セキュリティ管理のサービスプロバイダーやクラウドサービスプロバイダー、システムインテグレーターなどが、自社でそういう技術に取り組む余裕のない企業に対してサービスを提供する。
高度な攻撃が増える中、自社で対策を立てるか、サービスプロバイダーに委託するか、いずれにせよ考えなくてはならないので、すべての組織にとって他人事ではない。
--今、興味のある技術について教えてほしい
私はさまざまな切り口から技術を見ている。まず、その技術が攻撃を「防御」するためのものか、または「検知」するためのものかという点だ。また、これらの技術を従来のデータセンター上で、クラウド上で、またモバイル上でどう適用させるのかというフレームワークでも考える。これがRSAのCISOとしてセキュリティ技術を見る切り口だ。