シスコシステムズ合同会社は3月13日、サーバとスイッチの新製品群を発表した。シスコがサーバに参入してから第3世代目の製品。インテルの新世代Xeon「E5ファミリー」を搭載する。
サーバ製品では「Cisco Unified Computing System(Cisco UCS)」の新製品として、ブレードサーバを1モデル、ラックマウントサーバを2モデル発表した。インテル Xeon E5-2600プロセッサー ファミリーを搭載、従来の製品に比べメモリ容量を最大8倍に、I/O帯域幅を最大4倍にしている。
スイッチは「Cisco Catalyst 6500」シリーズに40GE機能オプションを追加、データセンターとサービスプロバイダー間を接続する「Cisco Nexus 7000シリーズ」に40GEおよび100GE対応モジュールを追加した。
吉野正則氏
同社クラウドビジネス事業推進 執行役員 吉野正則氏は「今後、データセンターはより柔軟性と拡張性が求められる」と強調。「日本はブロードバンド接続の環境が整っており、クラウドを構築しやすい状況にある」として、新製品群をデータセンター構築やクラウド導入を支援する要素として推進していく意向を示した。
中村智氏
シスコシステムズは2009年にサーバ市場に進出、仮想化技術を使いやすくすることに力点を置いた販売戦略を採っている。同社のサーバは「すでに世界市場で1万1000社が導入しており、この1年で販売額は10億ドルに達している」(同社 データセンター/バーチャライゼーション事業 ユニファイドコンピューティングシステム プロダクトマネージャ 中村智氏)という。
「Cisco UCS B200 M3 ブレードサーバ」は、ブレード幅はハーフサイズで、1ブレードシャーシに最大8台のブレードを搭載することが可能。最大コア数は16。メモリスロットは24DIMM、最大メモリは768GB。2台のHDDを搭載できる。I/O帯域幅は最大80ギガビットだ。シスコでは、仮想化プラットフォームとして、メモリ要件の厳しいコラボレーション、分散データベース処理などに対応できるとしている。
「Cisco UCS C220 M3 ラックサーバ」は、1ラックユニットサーバで、最大16コアを搭載可能。最大搭載メモリは512GBで、16DIMMスロットを備えており、HDDは8台搭載できる。SAS、SATA、SSDを選択することが可能だ。Webサービスから分散データベースまで、幅広いニーズに対応するとしている。
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「Cisco UCS C240 M3 ラックサーバ」は、2ラックユニットサーバ。最大搭載メモリは768GB、メモリスロットは24DIMM。HDDは24台を搭載可能。SAS、SATA、SSDを選択できる。同社によれば、データ解析やコラボレーションアプリケーションなど、内蔵ストレージ容量が求められるビジネスユースに適しているという。
また、今回は統合管理機能が強化されたことも注目される。運用管理ツールの「Cisco UCS Manager 2.0」は、ブレードとラックを問わず一元的な管理が可能だ。サーバのプロビジョニングだけでなく、デバイスの検出、モニタリング、障害の検出などもできるほか、サーバの増加など、システムを拡張しても複雑性は大きくならないという。同社はこのソフトにより、サーバの接続コストを低減化できるとしている。さらに、2012年下期にはデータセンターをまたいだ1000台規模の管理も実現させる予定だ。
「Cisco Catalyst 6500 シリーズ 40GEインターフェースモジュール」は、「Cisco Catalyst 6500 シリーズ」の製品ラインナップに対し、ネットワークの40GEへの移行をサポートする。「Cisco Nexus 7000データセンター スイッチ」向けのモジュールの「Cisco Nexus 7000 M2シリーズ XLオプション2ポート100GEモジュール」は、「Cisco Nexus 7000」向けに100GEポートを提供する。「Cisco Nexus 7000 M2シリーズ XLオプション6ポート40GEモジュール」は同じく、40GEポートを提供する。そのほか、96ポートのファブリックスイッチ「Cisco UCS 6296UP ファブリックインターコネクト」、イーサネットスイッチ「Cisco Nexus 3064-X」なども発売する。