栃本社長は復旧に関するこれまでの取り組みについても言及し、2011年3月の応急処置や操業を優先した7月までの応急復旧工事に続き、8月までに本格復旧工事の第1ステップとして外壁や空調を修復したことを説明。
さらに、社長をはじめとする幹部スタッフが入るA棟も10月までに修復し、今年に入ってからは本格普及工事のステップ1.5として余震によって被害が出た箇所の修復を行い、2月から被害が最も大きかったB-2棟の復旧工事を開始していることを紹介した。
また、今年7月以降には、エアコンやダクトなどの吊り物の耐震工事を開始する計画も明らかにした。吊り物の落下防止は富士通の新たな耐震基準に則ったものになるという。
「柔軟な対応が大切である」と栃本社長
栃本社長は「職場を守り抜くという強い気持ち、過酷な生活環境を省みず復旧作業を行ったことが、早期の復旧を実現した。震災によって従業員同士の絆が深まり、連帯感が高まったといえる」としたほか、「考え得る限りの想定をもとに、物資の準備やドキュメントの準備を行い、さらに、常に心の準備をしておくことが必要である」と社員に呼びかけた。
また、「4月からは11人の新入社員が入社する。震災の影響が依然として残っていること、福島県への放射能の懸念も解決されていない。しかし、どうしても富士通アイソテックで働きたいから、保原(富士通アイソテックがある福島県伊達市保原町)に来ると言った新入社員がいる。そうした新入社員たちを、全員で元気に迎え入れたい」と語った。
最後に栃本社長は、「大切なことは、ことが起きたときに、柔軟に対処することができるかどうかである。東日本大震災において、我々はそれができた。そして、この先もできる」と強い口調で締めくくった。
なお、講話会の最後には、社員全員で1分間の黙祷を捧げた。

最後に全員で1分間の黙祷を捧げた