富士通アイソテック、震災から1年の講話会--志を持った活動で苦難乗り越える - (page 2)

大河原克行

2012-03-14 17:33

 栃本社長は復旧に関するこれまでの取り組みについても言及し、2011年3月の応急処置や操業を優先した7月までの応急復旧工事に続き、8月までに本格復旧工事の第1ステップとして外壁や空調を修復したことを説明。

 さらに、社長をはじめとする幹部スタッフが入るA棟も10月までに修復し、今年に入ってからは本格普及工事のステップ1.5として余震によって被害が出た箇所の修復を行い、2月から被害が最も大きかったB-2棟の復旧工事を開始していることを紹介した。

 また、今年7月以降には、エアコンやダクトなどの吊り物の耐震工事を開始する計画も明らかにした。吊り物の落下防止は富士通の新たな耐震基準に則ったものになるという。

  • 富士通アイソテックの栃本政一社長

  • BCPでは机上の想定通りに進まない部分もあったという

  • 社員の強い意志が早期復旧を実現したと栃本社長は語る

  • 今後も柔軟に対応することが大切であると栃本社長は指摘する

  • 建屋の復旧スケジュール。2012年はPCの修理業務を行う東日本テクノセンターなどが入っていたB-2棟の復旧工事を行う

「柔軟な対応が大切である」と栃本社長

 栃本社長は「職場を守り抜くという強い気持ち、過酷な生活環境を省みず復旧作業を行ったことが、早期の復旧を実現した。震災によって従業員同士の絆が深まり、連帯感が高まったといえる」としたほか、「考え得る限りの想定をもとに、物資の準備やドキュメントの準備を行い、さらに、常に心の準備をしておくことが必要である」と社員に呼びかけた。

 また、「4月からは11人の新入社員が入社する。震災の影響が依然として残っていること、福島県への放射能の懸念も解決されていない。しかし、どうしても富士通アイソテックで働きたいから、保原(富士通アイソテックがある福島県伊達市保原町)に来ると言った新入社員がいる。そうした新入社員たちを、全員で元気に迎え入れたい」と語った。

 最後に栃本社長は、「大切なことは、ことが起きたときに、柔軟に対処することができるかどうかである。東日本大震災において、我々はそれができた。そして、この先もできる」と強い口調で締めくくった。

 なお、講話会の最後には、社員全員で1分間の黙祷を捧げた。

最後に全員で1分間の黙祷を捧げた
最後に全員で1分間の黙祷を捧げた

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]