ブラウザでの使い勝手が導入決定要素のひとつに
クラウドへの移行を前提にサービスを検討する中で、最終的にOffice 365の導入を決定するに至ったのは、さまざまな理由があったという。オットーのドイツ本社がExchangeを採用しており、将来的に連携が視野に入れられるというのも、そのひとつだった。
加えて、ウェブブラウザベースで利用でき、そのユーザーインターフェースが利用しやすいといった点もポイントだった。ちょうど、旧バージョンのBPOS(Business Productivity Online Suite)から、新バージョンであるOffice 365への移行のタイミングが重なったことも決定を後押しした。
「BPOSでは、サインオンにあたって専用のクライアントソフトが必要だったが、Office 365ではそれがなくなり、完全なウェブクライアントベースになった点も大きかった」と北氏は話す。ブラウザのみで必要な機能が利用できれば、スマートフォンやタブレット機器などを使って、出張先、外出先などでのメール利用もスムーズに行える。
最初の時点で導入するのは、Exchange Onlineによるウェブメールシステムだが、ライセンスの変更によって、SharePoint OnlineやLync Onlineなどを容易に導入できる点もポイントだった。将来的に、現在Notesベースで運用している掲示板やCMSなどを、順次SharePoint Onlineベースに移行することを視野に入れられる点は大きかったという。
これらの要素を検討した結果、Office 365の導入が決定した。クラウドサービスであるため、サーバ機器やソフトライセンスの購入といった規模の大きな初期投資や、構築の手間はかからなかった。同社では、インターネット経由での利用増加を見込んだネットワーク環境の強化等を行った上で、約1カ月のテスト期間を設定。各部署のパワーユーザーに先行して使い込んでもらった後に、全社員向けの説明会を行い、移行を完了した。