わたしは、AndroidがiOSに対してこれほどうまく対抗できるかどうか、疑わしいと考えていると言わざるを得ない。
そもそも、Androidタブレットが現在うまくいっているとは思えない。サムスンのような市場リーダーが「わが社はタブレット市場ではあまり業績が良くない」と認めなくてはならない状況を考えれば、物事があまりうまくいっていないのは分かるはずだ。競合企業が喜んで時間、努力、資金をこの市場に投資するのにも限りがあり、いずれは諦めて敗北を認めるだろう。メディアプレーヤー市場で、大企業がAppleの「iPod」が持つマーケティングと売り上げの牙城を崩そうとして、どうなったかを考えてみるといい。
マージンはすでにほんのわずかであり、199ドルの値段が付いているAmazonのKindle Fireが、この問題をさらに大きくしている。AmazonがKindle Fireの価格決定で大胆になれるのは、タブレットを売ることではなく、そのタブレット上で消費されるコンテンツを売ることに興味があるからだ。デバイスの周辺に収益を創出するエコシステムを作り上げることができるのは、AppleとAmazon以外には見当たらない。Microsoftでさえ難しい。 これは、すべての収益をデバイスの売り上げから上げ、顧客が1年後か2年後に再びもっとハードウェアを買ってくれることを祈るしかないということを意味している。
わたしはまた、IDCはどういうわけか、Appleが向こう数年間何もせず、Androidが追いついてくるのを待つ、と仮定しているように感じる。Appleは当然そのようなことはしないであろうし、「iPad 2」を100ドル値下げしたことは、同社が人々をiOSの波に乗せることに、どれだけ力を入れているかを示している。
旧型のiPad 2は、依然として現在市場に出回っているどのAndroidタブレットよりも優れており、これはAppleがiOS中毒を増やすための新たな手口だ。AndroidタブレットメーカーはばらばらのOEMの集まりであり、Appleに対抗する適切な作戦行動を計画し、組織する立場にはない。そして、それを助けられる唯一のプレーヤーであるGoogleは、それらのOEMに手を貸すことには興味がないようだ。
わたしの予想は、2015年までにはAndroidタブレットはiPadとの差をある程度縮めるが、Appleは依然として出荷台数で優っているというものだ。Androidは成長するであろうが、それは収益を犠牲にしてのことであり、他のOSで戦うプレーヤーは、競争相手からの圧力に屈し続けるであろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。