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ソフトウェア品質監査制度の全体像--ソフトウェア品質をどう担保するか - (page 2)

杉山貴章(オングス)

2012-03-29 12:50

利用情報を審査基準にフィードバックする

 ここからは、上記の枠組みにおけるいくつかの特徴的なポイントに触れていきたい。

 この制度の大きな特徴のひとつが、有効性や効率性、満足度などの“利用品質”も監査の対象としていることである。これは、企業が追求する製品の品質と、利用者が求めている機能やサービスとの間でギャップが生じていないかをチェックしていくことが重要だからだという。

 利用状況に関する情報や障害に関する情報を審査基準にフィードバックする点も特徴的だ。第1回で触れたように、製品のリリース後に設計段階で想定されていない原因で不具合や事故が発生する可能性もある。どんなに入念にテストを行ったところで、現実のあらゆる状況を設計段階ですべて想定することは不可能だからだ。とはいえ、そのような後から発覚した不具合を放置したままでは、監査結果そのものが有名無実化してしまう結果になる。

 そこでこの監査制度には、ユーザーの利用状況や事故の発生状況をモニタリングし、それを反映させる形で審査基準(および審査基準策定指針)を修正していくという構想が盛り込まれている。製品を開発する事業者は、その利用情報や審査基準を参考にしてテストケースを作成することで、市場の最新の状況に対応した品質管理が行えるという仕組みである。単に審査基準を更新するだけでなく、監査結果が出た後にも定期的な監査を必要とすることや、公認審査官の資格に期限を設けるなどの内容も含まれている。

利用情報・障害情報のフィードバック 利用情報・障害情報のフィードバック
※クリックで拡大画像を表示

 この仕組みは、スマートグリッドをはじめとする業界横断のシステム統合への対応も念頭に置いたものである。これからの統合システムでは、従来は考えられなかった機器同士が連携して動作するケースが出てくるだろう。現時点でも、すでにスマートフォンがあらゆる電化製品を連携させるハブとして使われつつある。

 そのように品質文化の異なる製品同士が繋がる場合、想定できない相互作用をおよぼす可能性は十分にあり得る。監査結果を常に意味のあるものとして保つためには、技術や市場動向の変化に合わせて審査基準も更新していかなければならないということだ。

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