CRMをフロントに業務の変化に柔軟に対応できるシステムを
同社では、CRMシステムの導入当初よりSaaSベースでの運用を行っていた。
その理由のひとつは、オンプレミスと比較した場合の、圧倒的なコスト面での優位性だという。CRMをオンプレミスで導入しようとすれば、まず初期コストが高額になり、さらに運用管理のためのリソースも必要となる。「導入してみて、うまくいかないのでリプレースをと考える場合、感覚的にオンプレミスはクラウドの約3倍くらいのコストがかかる」というのが飯盛氏の実感だという。
マネースクウェア・ジャパン 情報戦略室シニアマネージャー 森川哲史氏
セキュリティの面でも「自社でサーバを立てようと思えば、事業継続などを考えてシステムを作る必要があり、その専門家も雇わねばならないなど大規模な投資が必要となる。クラウドベースであっても、通信やデータベースの暗号化などの仕組みが用意されており、自社で作ろうとするよりも高いセキュリティレベルは確保されていると判断した」(マネースクウェア・ジャパン 情報戦略室シニアマネージャーの森川哲史氏)という。
また、スピードや変化への対応を求められるビジネス環境だからこそ、クラウドを選択しているという側面もあるとする。飯盛氏は「社内の業務がCRM中心に寄っているので、それをベースにして業務分析と改善、業務にあわせたシステム変更なども柔軟に行えるよう、定期的に見直しを行っていこうと考えている」と話す。
CRM On Demandの最初の導入から3年以上が経過し、システム運用や変更に関するノウハウもかなり蓄積されてきているという。大量に発生するトランザクションデータの中から、可視化が必要なデータを随時切り分けてDWHで分析するなど、今後も小回りを利かせた形で、柔軟にデータを活用していきたいとする。
またオラクルに対しては、対応ブラウザの拡充やユーザビリティの向上、CRMをベースとして部署間で容易にコミュニケーションできる仕組みの充実などを求めたいと話す。CRMを業務のフロントエンドとして、変化に柔軟に対応しつつ、業務とサービスの質を向上させていくM2Jの「攻め」のクラウドの重要性は、今後も増していくことになるだろう。
マネースクウェア・ジャパン情報戦略室シニアマネージャーの森川哲史氏(右)と、同 飯盛美季氏