Heydari しかし、Oracleにおいては、スタック全体の革新が可能になっており、これまでにないブレイクスルーの製品を単一ビューの中で提案することができますし、TCO(総所有コスト)の削減が可能になる。そして、お客様はITに時間を費やすのではなく、本業そのものに時間を費やすことができます。さらに、OracleのソフトウェアをOracleのハードウェア上で最善の形で走らせることができるようになった。
Oracleが提示しているロードマップを見ていただくとわかりますが、今後は「ソフトウェア・イン・シリコン」が実現されることになります。すでにT4プロセッサのなかでも暗号化の機能が実現されていますが、これはもともとソフトウェアで実現されていたものであり、それが徐々にハードウェアの中で行われるようになり、いよいよマイクロプロセッサの中で実現されるようになってきたわけです。
また、コードで実行されてきたデータベースやミドルウェア、アプリケーションも今後はハードウェアとして実行することを可能にします。2社が1社に統合したことで1社ですべてのスタックにおいて革新を行い、これまで以上に、飛躍的なパフォーマンスの向上、TCOの削減を実現し、管理性を高めることもできるのです。
Engineered Systemsは究極の速さで実行
――Oracleは、ハードウェアとソフトウェアの緊密な統合を図る「Engineered Systems」戦略を掲げています。この中でSPARCはどんな位置付けを担いますか。Heydari Engineered Systemsは、それぞれの目的に向けて構築されているものであり、何かをするために究極の速さで実行する、あるいはローコストで実現するといったように明確化しています。たとえば、Engineered Systemsの最初の製品としてリリースしたExadataは、データベースに特化したものであり、ExalogicはOracleスタック上でJavaやミドルウェアを効率的に走らせるためのものです。
また、SPARC SuperClusterは、SPARCによるEngineered Systemsのひとつであり、ここではExalogicやExadataをT4上で統合し、仮想化されたプラットフォーム上でアプリケーションを稼働させることができます。ここではOracleのアプリケーションだけでなく、他社のアプリケーションも稼働させることができ、より汎用性が高いソリューションとなっています。
こうした新たな世界に対して多くのお客様が“慣れ”始めており、追加的なパフォーマンス向上や、さらなるTCO削減を目指そうとしています。また、異なるビジネスにも当社製品を展開しようという動きが始まっています。
最新の四半期決算を見ていただいてもわかるように、Engineered Systemsに関するビジネスは迅速な成長を遂げていますし、顧客数も急拡大しています。この成長はこれからも維持されることになるでしょう。
お客様からも多くの関心が寄せられており、新たなSPARCサーバに対して、日増しに関心が高まっています。各社のCIOと話しますと、異口同音に語られるのは「さらに運用コストを削減したい」「エンドユーザーに対して価値を提供したい」「パフォーマンスを改善したい」「複雑性を軽減したい」「管理を容易にしたい」というものです。Engineered Systemsは、まさにそれを解決するものです。これらの要件を一つのスタックとして解決できるのがEngineered Systemsであり、SPARCサーバも重要な役割を担うことになります。