Engineered Systemsの本質
――日本のユーザー企業にとって新たなSPARCサーバ、あるいはEngineered Systemsはどんなメリットを生みますか。Heydari 日本は昨年3月の東日本大震災の被害を受けました。この困難に対して世界中の人々が胸を痛めていました。しかし、この1年で日本が急速な勢いで回復していることに敬意を示したい。
だが、日本のお客様に対して、私が申し上げたいことは他の国と変わるものではありません。ITコミュニティを見てみますと、現状を見直し、それに対して挑戦していかなくてはならないという状況にあります。そしてOracleが、その現状をいかに変えることができるのか。そうした点に目を向けてもらいたい。
これまでのITシステムが置かれた状況は、スーパーに行って、塩や砂糖、胡椒などを購入し、それを使って料理の味付けをしていたのと同じように、さまざまな製品やサービスをバラバラに購入し、それを自らのソリューションを構築するために混ぜ合わせてきた。調理ならばまだ簡単ですが、ITに置き換えるとそれはシンプルなことではありません。
さまざまなベンダーが存在し、さまざまなシステムがあり、それをお客様はソリューションとして管理しなくてはならない。それに対して、OracleのEngineered Systemsは、その複雑性をITから排除することができる。そして、究極のパフォーマンスを提供し、従来のソリューションに比べてTCOを削減することができる。お客様の多くは、これまでは必要にかられて、こうした現状にあるわけです。OracleがEngineered Systemsが提供するまでは他の選択肢がなかったわけですから、決して間違った選択ではありませんでした。
しかし、今はEngineered Systemsがあります。Oracleはこの世界を変えようとしていますし、他社もそれに追随しようとしています。是非お客様には、Oracleがこのユニークな形によって、どんなことを実現できるのかといったことを目を向けてもらい、そこからメリットを享受してもらいたい。
我々の技術を活用して、Oracleはスタック全体を革新できる。だからこそ、お客様の問題を解決できる唯一の会社だと言えます。問題解決に当たって、コンサルティングといったサービスを押し付けるのではなく、必要となる技術を提供することで解決するのが我々の手法です。
お客様は、自らが持つ顧客に対して何らかの価値を提供しようとしています。しかし、そこにおいてITは手段でしかありません。お客様は、手段に時間を割くのではなく、目的に対してより多くの時間を割きたい。そこにEngineered Systemsの本質があります。
――今後、SPARCサーバの進化については、どんな点に注目しておけばいいでしょうか。Heydari SPARCサーバという観点から言えば、1年後に目にするのはロードマップで示したもの、そのものだといえます。我々コンピュータエンジニアが最終目標にしているのは、よりよいパフォーマンスをより低いコストで実現しようという点です。
そして、SPARCサーバにおいて重視しているのは拡張性であり、メモリのフットプリントであり、I/Oのキャパシティであり、仮想化されたアプリケーションに対するパフォーマンスの改善です。それをOracleのスタックの中で実現しようとしています。SPARCおよびSolarisへの積極的な投資は継続的に行われます。今後の進化もぜひ楽しみにしていてください。