東京電機大学は3つのキャンパスに分散していた教育研究システム管理サーバ29台を7台に統合、学習研究用アプリケーションが利用できる約1000台の仮想デスクトップ環境を構築した。同大学と富士通、ヴイエムウェアが4月19日に発表した。
同大学は東京神田、埼玉鳩山、千葉ニュータウンの3キャンパスのITインフラを2011年4月に富士通のデータセンターに統合、刷新してプライベートクラウドを構築、IT環境の最適化、運用の効率化、セキュリティの強化を図っている。今年4月に東京神田キャンパスを東京千住に開設し、教育研究システムの管理サーバをプライベートクラウドに統合している。
エレクトロニクス・メカトロニクス統合設計技術などの授業で利用する3D CAD系のアプリケーションは従来、キャンパス内の教室からしか利用できなかった。仮想デスクトップ環境はネットワーク転送が前提であり、3D CAD系アプリケーションは画質の劣化や反応速度の低下が懸念され、一般的には不向きとされていた。
この課題について今回は、画面転送プロトコル「PC over IP(PCoIP)」ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware View 5」を活用している。VMware Viewの仮想化基盤である「VMware vSphere 5」の3Dグラフィックスアクセラレーション機能の効果を生かしている。
同機能はGPUをCPUでエミュレートするもの。同機能でグラフィックボードを不要とするハードウェア構成とすることでITリソースを最適化できているという。こうした対策で、学生は自分のノートPC、自宅やネットカフェなどのPCから仮想デスクトップにアクセスできるようになっている。
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