半導体関連製品などを製造する、横浜市の岡谷エレクトロニクスはチーム営業の強化力を目的に「Salesforce CRM」から「Microsoft Dynamics CRM Online」に移行した。日本マイクロソフトが4月26日に発表した。
岡谷エレクトロニクスは半導体関連製品からシステム製品、それらを効率的に稼働させるためのソフトウェアや開発環境に至るまで、顧客企業のシステム開発、製品化、量産化までを一貫してサポートする。組込系システムに強く、売り上げの7割を占めているという。
デバイス単体で販売するのではなく、ソフトウェアやクラウドまで含めた総合的な解決策を販売するには、営業活動の体系化が不可欠として、CRMを2004年から活用している。2008年からはクラウドサービス移行を検討し、SaaS型CRM「Salesforce CRM」を2010年から活用している。
Salesforce CRMには課題があったという。ユーザーインターフェース(UI)が独特であり、使い勝手もいいものではなかったとしている。ほかのシステムとの間でデータの使い回しが行いにくかったという課題もあった。
加えて、1人1カ月あたり1万円以上ということも大きく影響。約70人のエンドユーザーへの導入を予定していたため、毎月70万円以上、年間で1000万円近くの見込みだった。こうした背景から、同社はDynamics CRM Onlineへの移行の検討、評価を2011年7月から始めている。
Dynamics CRM Onlineについては、「Microsoft Outlook」との連携を評価した。OutlookからDynamics CRM Onlineにアクセスでき、「Microsoft Exchange Server」から予定や仕事、メールなどをDynamics CRM Online内で管理されているプロジェクト情報を紐付けることができるからだ。UIがほかのマイクロソフト製品と一貫性があることも評価している。
Salesforce CRMの契約更新が2011年10月となっており、同時期にDynamics CRM Onlineへの移行を完了させた。「SFDC移行サービス」を活用することで1カ月で移行がすんでいる。

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Dynamics CRM Onlineへの移行と同時に、岡谷エレクトロニクスは「Microsoft Office 365」の「Microsoft Exchange Online」「Microsoft SharePoint Online」「Microsoft Lync Online」も活用している。Outlookを介してDynamics CRM Onlineの活動記録と予定、Exchange Onlineのスケジュールと仕事がシームレスに連携することで、エンドユーザーはそれぞれのソフトウェアの存在を意識することなく、使いこなせているという。
以前はOutlookを立ち上げて、ブラウザを立ち上げてSalesforce CRMにログインする必要があった。移行後はOutlookを立ち上げるだけでDynamics CRM Onlineを利用できるようになっている。現在は全従業員約100人がOffice 365を利用しており、Dynamics CRM Onlineはほぼすべての営業部門で活用されているという。