ヴイエムウェア、View 5.1などエンドユーザーコンピューティング新製品群

大河原克行

2012-05-07 16:37

 ヴイエムウェアは5月7日、エンドユーザーコンピューティング(EUC)分野における新製品として、ポストPC時代のデスクトップソリューションとする、デスクトップ仮想化ソフトウェアの新版「VMware View 5.1」、エンタープライズアプリケーション管理ツールの「VMware Horizon App Manager 1.5」、ファイル共有を行うパーソナルデータクラウドである「VMware Project Octopus Beta」を発表した。

 ヴイエムウェアは、ポストPC時代のEUCを実現する各種ソリューションの提供に力を注いでおり、今回の製品群もそのひとつになる。同社社長の三木泰雄氏は「エンドユーザーは、コンシューマー向けに提供されている便利なツールやサービスを使いたいという要望がある一方、情報システム部門では、こうした流れに対して従来のテクノロジの延長線上で対応できず、それでいてセキュアな環境、コンプライアンスの遵守が求められている。こうした課題を解決するには“n対n”の環境でセキュアに結び付け、管理する仕組みが必要である。今回の製品は、それを実現するものになる」と説明している。

写真1 三木泰雄氏

 VMware View 5.1は、大規模に展開するIT管理をシンプル化し、仮想デスクトップの総所有コスト(TCO)を最大50%削減できるのが特徴。新機能の「VMware View Storage Accelerator」(旧「Content Based Read Cache」)で共有ストレージの負荷を最適化できる。

 新機能の「VMware View Persona Management」で物理デスクトップを管理できるようになったため、すべてのWindows端末のユーザー設定を集中管理でき、物理デスクトップから仮想デスクトップへの移行も円滑にできるようになる。新機能の「VMware View Composer Array Integration」は、仮想デスクトップのイメージの読み取り時に共通のイメージブロックをキャッシュすることで、ストレージの負荷を最適化し、パフォーマンスを改善することができる。

 VMware View 5.1では、Windowsに加えて、MacやLinuxにおいてもネイティブでの対応が可能。「iPad」のほか、Amazonの「Kindle Fire」といったAndroidタブレットを通じても利用が可能になる。

 運用管理ツールの「VMware vCenter Operations」との統合を図る機能「VMware vCenter Operations for VMware View」は、VMware Viewの新たなアドオンとして提供される。デスクトップのパフォーマンスを一元的に管理。問題点の迅速な特定と解決が可能になるとした。同機能についてストラテジック アライアンス部長の名倉丈雄氏は「システムが複雑化する中で運用管理の自動化という点において効果がある。リアクティブな対応から、プロアクティブな対応へと進化することが可能」とそのメリットを強調している。

 VMware View 5.1は、2012年第2四半期から出荷を開始。同時接続ユーザーあたりの市場想定価格は1万6000円。VMware Viewの既存顧客は無償でアップグレードできる。vCenter Operations for VMware Viewは、同時接続ユーザーあたりの市場想定価格が1万2500円。

写真2 Horizonの位置付け

 一方、パーソナルクラウドブローカーのVMware Horizon App Manager 1.5は、オンプレミス型の仮想アプライアンスとして提供するもので、アプリケーション、仮想デスクトップ、データリソースへのユーザーアクセスを仲介する統合したポリシー、アクセス権限管理の中心となる製品。アプリケーションの仮想化機能を統合する機能である「VMware Horizon Application Catalog」、クラウド環境にアクセスする際にシームレスなエンドユーザーエクスペリエンスを提供するための機能である「VMware Horizon Workplace」なども提供するという。新機能の「VMware Horizon Policy Manager」によって、管理者は簡単にポリシーを定義できるため、私物のデバイスを業務に活用する“BYOD(Bring Your Own Device)”を促進するセキュアなアクセス管理を実現できるとした。

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