インフォア幹部、ソーシャルエンタープライズを語る - (page 2)

藤本京子

2012-05-08 09:00

村上氏:日本インフォアでは今、ソーシャル化の準備運動としてFacebookのグループ機能を社内の一部と顧客との間で利用している。Facebookはプライベートで利用している社員が多いため、任意参加ではあるが、メールでコラボレーションするよりはずっと便利だと感じている。

 ソーシャルデータは、CRMなどのアプリケーションに存在するデータと違い、非定型で業務フローに従っていないものも多い。ただ、そこでやりとりされるデータの中にはビジネス上でも大切なデータが多く、うまく使えば仕事で大いに活用できるだろう。

 ソーシャル化のメリットは、様々な関係の壁を越えて人と人がつながることだ。そのメリットを実感できるように利用しなくては、ソーシャルエンタープライズになることはできない。ユーザーインターフェースを変えただけでソーシャル化が実現するかというと決してそうではなく、日々の活動の中でソーシャル機能をうまく使うことが重要だ。現在のFacebookのテスト利用にしても、ヘビーユーザーが集まってコラボレーションする場合はとても生産性が高いが、これを全員が同じレベルで活用できるようにしなくてはならない。(Infor10 ION Workspaceで)仕組みは用意できたので、ツールを使ってCRMやERPのデータとも連係しつつ、ソーシャル機能を活用できればいいと思う。

 ただ、現在Facebookを利用するにあたっても、日本の顧客の中にはFacebookを遊びとしかとらえていない企業もあり、業務時間中にアクセスできない人もいるため、ソーシャル化へのハードルは高いと感じている。急には変わらないと思うが、顧客の中にもAppleのiPadを業務利用する企業が増えている。iPadなどのタブレット端末においてソーシャルアプリケーションはキラーアプリのひとつとなるため、タブレット端末という方向からソーシャル化が進む可能性はある。

--Infor社内では、Facebook以外に何らかのソーシャルツールは利用しているのか。

村上氏:Inforはワールドワイドで企業向けSNSのYammerを利用している。中でも研究開発チームはYammerを非常に活発に活用していて、製品ごとのグループを作り製品情報をやりとりしている。このグループに行けば、どの製品で何が起こっているのか何でもわかるようになっている。すでにこうしたツールをうまく活用できていれば、ソーシャルエンタープライズへの移行もスムーズに進むだろう。

--基調講演では、2010年にInforの最高経営責任者(CEO)に就任したCharles Phillips氏が「Inforはイノベーションの時代に入った」と語ったのが印象的だった。Phillips氏の下でInforは変わったと感じるか。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]