ネオジャパンは5月8日、Amazon Web Services(AWS)上でグループウェアを利用できるSaaS「desknet's on Cloud powered by Amazon Web Services」とdesknet'sのデータをクラウド上にバックアップする「desknet'sバックアップサービス on Cloud」の提供を開始した。
desknet's on Cloud powered by Amazon Web Servicesは、AWSが提供するIaaS「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」上でdesknet'sを稼働させて利用できるというもの。ユーザー企業は利用したいユーザーの数だけの月額料金を支払って利用できる。

Amazon EC2でのOSやミドルウェアのインストール、パッチ適用、ソフトウェアのバージョンアップ、サーバインスタンスの監視、障害対応などはネオジャパンが担う。パブリッククラウドで懸念されているセキュリティについては、SSLで通信は暗号化され、接続元のIPアドレスでアクセスを制限でき、ベーシック認証もかけることができる。これらは無償で提供されるが、オプションの有償サービスとしてクライアント証明書での端末認証をかけることもできる。
1ユーザーあたりの月額料金は小中規模向けのスタンダード版が380円から、中堅大規模向けのエンタープライズ版が600円から。desknet's on Cloud powered by Amazon Web Servicesでは、ユーザー企業の利用内容や利用負荷に応じて、システムのスペックを切り替えられる“アジャスタブル・プライス”という価格モデルで提供する。
スタンダード版は1ユーザーの月額が380円だが、これは一般的な利用を想定した「ベーシック」と呼ばれる料金。ベーシックに含まれる機能の数を減らした「ロー(1)」は月額360円、ロー(1)よりもっと少ない機能だけを利用する「ロー(2)」は月額340円となっている。ベーシックに含まれる機能のすべてを頻繁に利用するというユーザー企業に向けては「ハイ」として月額420円で提供する。料金はいずれも税別。
今回のdesknet's on Cloud powered by Amazon Web Servicesでは、desknet'sの既存ユーザー企業向けにパッケージライセンスをそのままAmazon EC2上で利用できる“ライセンス持込型”も提供する。既存のライセンス資産をムダにすることなく、利用コストと運用コストを同時に削減できるというメリットがあるという。
ライセンス持込型の初期費用としてスタンダード版は38万円から、エンタープライズ版が85万円から、月額費用は10万円から。ライセンス持込型の場合、これとは別途desknet'sの年間サポートサービスの契約が必要になる。
ネオジャパンは今回のサービスについて、競合他社よりも安価に利用できるとメリットを強調する。また競合他社が直販モデルで提供しているのに対して、ネオジャパンのサービスはパートナー企業が販売することを中心にしている。
基盤としてAmazon EC2を利用し、ネオジャパンが運用管理していくが、導入などのSIやネットワーク管理、サポート、教育といった分野はパートナー企業が手がけることを前提にしている。desknet's on Cloudは今後Amazon以外でも利用できるように対応するクラウドサービスを拡充していく方針を明らかにしている。
一方のdesknet'sバックアップサービス on Cloudは、オンプレミス環境で稼働しているdesknet'sのデータをクラウド上にバックアップして、障害や災害が発生した時に復旧できるというサービスだ。専用のバックアップツールをdesknet'sサーバに置いて、バックアップデータはAWS上に格納される。
バックアップの対象となるデータやスケジュールは任意に設定できる。バックアップデータにアクセスするための認証では、1024ビット以上で構成される独自の暗号キーを使用する。データのアップロードとダウンロードはSSLでの暗号化通信になっている。
価格は10Gバイトで年間1万円。サービスの対象となるのは、desknet'sのスタンダード版とミドル版を利用しているユーザー企業だが、エンタープライズ版のユーザー企業に対しては個別相談の上での対応となっている。サービスの利用は、desknet'sの年間サポートサービスの契約が必要になっている。