結論
アプリケーションサービスプロバイダーは多くの顧客を獲得するために、ウェブアプリケーションを構築するためのフレームワーク技術を開拓し、そのことで一歩リードしてきた。しかし、こういった技術は必ずしも、クラウド時代のアプリケーションを新規開発するために最適化されているわけではない。
クラウドアプリケーションもウェブブラウザから利用できるという意味においてはウェブアプリケーションと言えるものの、すべてのウェブアプリケーションがクラウドアプリケーションというわけではない。ソフトウェアベンダーはしばしば、ウェブアプリケーションを「クラウドアプリケーション」という名目で販売するものの、それは単にクラウドという言葉が最新テクノロジを表した流行語であるためであり、ウェブアプリケーションはクラウドアプリケーションが提供しているほどの豊富な機能やカスタマイズ性を有しているわけではない。
一部のソフトウェアベンダーは、自社のアプリケーションがウェブ上で動作しているのであれば、それだけでクラウドアプリケーションとしての要件を満足しているという誤った考えを持っている。しかし、必ずしもそうとは言えないのである。あなたのウェブアプリケーションをクラウドアプリケーションへと進化させるには、以下のようなある種の属性を保持させる必要があるのだ。
- コンシューマーの持つさまざまな要求やニーズをサポートするための真のマルチテナント機能
- クラウド時代におけるアプリケーションの花形である仮想化技術のサポート(ウェブアプリケーションはこういった技術をサポートできるように構築、またはリエンジニアリングする必要がある)
今では機能の豊富な開発プラットフォームやフレームワークが複数存在しているため、クラウドアプリケーションという分野に参入しようとしているベンダーにとっては、そういったもののなかから自由に選択できるという恵まれた時代になっている。このことは既存のウェブアプリケーションを移行する場合でも、最初から開発する場合でも関係ない。こういった新時代のクラウドアプリケーション開発プラットフォームは良心的な価格で入手でき、動作も俊敏であるため、市場に調達するまでにかかる期間を短縮するとともに、ソフトウェア開発の複雑さを低減することができる。
近代的なアプリケーションを構築するためのクラウドベースのテクノロジを提供する開発プラットフォームとして例えば、VMwareのCloud foundryやGoogle App Engine、Microsoft Windows Azure、Appcara、Salesforce(HerokuやForce.com)、AppFog、Engine Yard、Standing Cloud、Mendixを挙げることができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。