具体的には、SAPの既存のオンデマンドソリューションとSuccessFactorsのサービスを、以下の4エリアに分類し直してソリューションとして提供する――人材管理「People」、支出の「Money」、顧客「Customers」、サプライヤー管理の「Suppliers」だ。
Peopleは従業員向けポータルなどSuccessFactorsのサービスが中心となり、Moneyでは待望の「Financial OnDemand」を発表した。Customersでは「Sales OnDemand」、それにFacebookやTwitterなどと統合して顧客の意見や志向を分析できる新サービス「Social Customer Engagement OnDemand」もある。Suppliersでは「Sourcing OnDemand」「Information Interchange OnDemand」などを用意する。
Dalgaard氏はさらに、SAPのインメモリ技術「HANA」対応についても話す。たとえばアプリケーションの承認をHANAベースにすることで、「パフォーマンスは最大で5394%改善できた」という。データアクイジションや分析ビュー生成における遅延も削減できる、とも語っている。
これらのサービスがすべてソーシャル要素を組み込んでいることにも触れた。ソーシャルはSuccessFactorsが大きなフォーカスを置いてきた分野であり、代表例として、スタッフ間で情報共有やコラボレーションができる「JAM」がある。疎結合アプローチにより、たとえば人やプロセス、分析、コンテンツを結びつけることができるという。新しいクラウドカテゴリは同日からローンチされ、価格は「魅力的な価格」(Dalgaard氏)としている。
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新戦略の下、既存のBusiness ByDesignと「BusinessOne OnDemand」も継続する。前者は主として中規模以上の企業と大企業の子会社向けであり、後者は中小規模企業向けとなる。
だが、Business ByDesignについてDalgaard氏は「ビジョンは素晴らしい。だが、大きすぎた。すべてをクラウドにリプレースする準備ができている企業はいない」とコメントするなど、主力製品と位置付けていない姿勢を示した。
Dalgaard氏は最後に、SAPとSuccessFactorsがお互いの製品を使っていることにも触れた。SuccessFactorsはこれまでバラバラだったクラウドアプリケーションをSales OnDemandに統一、Sales OnDemandの最大規模のユーザーになったという。過去10週間でSourcing OnDemand、出張経費のTravel OnDemandなども導入したという。一方、SAPはSuccessFactorsの人事スイート「SuccessFactors BizX」などのクラウドソリューションを利用することになっているという。
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