投資家への警告
今の「赤字に振り回された状況」の中、投資家は株式市場と債券市場がさらに不安定になり、ドルへの最初の圧力が生まれ、インフレが高まるという、厳しい現実に直面することになります。経済が停滞すると、国民の貯蓄能力と投資実行力は低下します。
これは、多くのアメリカ人、特に住宅所有者にとって厳しい状況です。2001年から2008年の間でアメリカの住宅ローン負債は2倍になり、消費者負債額は純利益の120%にまで増えました。個人の返済負担率は史上最高値を記録しました。また、国際通貨基金の調べによると、財政赤字が大きく個人の負債額も大きい国の方が、財政赤字が大きくても個人の負債額が管理出来るレベルの国より、金利が上昇することが分かりました。
アメリカは財政赤字が膨大な上、支払能力を超えた債務を国民が抱えているため、高金利によって住宅市場は多大な影響を受けるでしょう。住宅の値段は下がり続け、価格の上昇は極めて緩やかになると考えられます。
金利が高ければ、住宅ローン、自動車ローン、学生ローン、クレジットカードローンなどはより高額になります。また、インフレによって、外国投資家は米ドルに対してあまり魅力を感じなくなります。さらに、アメリカの経済は、発展途上市場の経済と比べると、ゆっくりと成長していくと思われます。このような状況は、個人投資家にとって危険です。なぜなら、個人投資家はこのような大規模な問題に逆らう術をほとんど持っていませんし、自分のポートフォリオを注意深く監視する必要があるからです。
しかし、高利益を見込める投資機会がまったく無くなるわけではありません。ただし、必ずしも過去数10年間と同じ分野にあるとは限りません。また、過去に使っていたテクニックと同じものは通用しなくなるでしょう。 こういう状態ですから、いかに投資家の力が必要といはいえ、大きなリスクを背負ってまでの対応をするとは思えません。とはいえ、このままの状態では国そのものの存続にも関わります。