重要なのはタイミング
投資の成功はタイミングが決め手です。あまりにも急いで投資に参入したり手を引いたりすることは、動きが遅すぎることと同じくらい危険です。アメリカ経済はしばらくの間蛇行して来ましたが、金利は2011年の終わりまで上昇する可能性はありません。インフレがやってくるのはその約1年後でしょう。これを踏まえ、投資家はアメリカ国債と株の所有を減らし、現金とコモディティ商品を多く持つようにしましょう。
(コモディティ商品: 商品先物取引所で取引されている商品のこと。原油・ガスなどのエネルギー、金・銀・プラチナなどの貴金属、小麦・大豆・とうもろこしなどの穀物、銅・アルミといった非鉄金属など実物資産を対象にした金融商品)
投資のタイミングを計るには、金利の動きを教えてくれる経済指標に注意して下さい。例えば、当面、主な負債主になるのはアメリカ政府である可能性が高いですが、その一方で、ローンを組む必要のある企業が増えることが期待されます。経済情勢が良くなると、企業は信用取引を求めるようになり、銀行の商工融資(C&I融資)がじわじわと増えて行きます。
毎週金曜日には連邦準備銀行のウェブサイトでその週のC&Iデータを確認して下さい。また、消費者負債も重要です。なぜなら、消費者負債は国民感情を反映しているからです。例えば、雇用状況が良ければよいだけ、国民はお金を使いやすくなります。しかし、返済負担率が約90%まで戻らない限り、国民が再び積極的にお金を借り始めることはないでしょう。
同様に、目前に迫ったインフレもまた、警告を発しています。雇用の増加、生産能力の高まり、貨幣供給の増加に警戒して下さい。雇用の増加は、毎月の労働省のデータを確認して下さい。製造能力の高まりは、連邦準備銀行が毎月発表する「操業率」を確認して下さい。貨幣供給の増加は、連邦準備銀行によるM2の通貨算定において、年6%を上回って継続的に増加しているか確認して下さい。
(M2:現金通貨と国内銀行等に預けられた預金を合計したもの)
逆に言えば、こういう状態ですから、経済に振り回される資産を持つ事は危険です。現金及び、金やエネルギー資源を資産とすることが賢いのです。