多くのプロジェクトが世界各国で同時進行中
--日本のパートナー企業2社がモバイルアプリケーションを公開していますが、海外ではどのようなアプリケーションが開発されているのでしょう。
Bruce:数多くのプロジェクトが世界各国で同時進行中です。たとえば、MicrosoftとAccentureのジョイントベンチャーで、Citrixの戦略的なパートナーでもあるAvanadeは、発電所の管理のためのアプリケーションをMobility PackとMobile Application SDKを使って開発しています。
このアプリケーションは、データセンターにホスティングされているXenAppのアプリケーションにタブレットからアクセスするための発電所向けシステムで、システムに故障や障害が発生した場合に、その場所をGPS機能でピンポイントに特定し、最適な障害対応を行うための仕組みです。
また別の会社では、医療用のアプリケーションも開発中です。これは医療従事者が、カルテ情報に、モバイルデバイスからアクセス可能にするためのアプリケーションで、レントゲンやCTなどの画像も参照できます。GPS機能で専門医の場所を特定したり、バーコードやQRコードから電子カルテにアクセスしたりすることもできます。
そのほか英国の企業では、SAP向けのタイムカードシステムを構築しています。これはスマートフォンやタブレットにより就労を管理するためのアプリケーションです。
--容易な開発がMobility PackやMobile Application SDKの特長ですが、その開発には苦労したのではないですか。
Anil:モバイルの世界への対応そのものが大きなチャレンジでした。まず開発チームで考えたのは、モバイルのアプリケーションを実際に作ってみようということでした。そこで「ゴールデンゲートEメールアプリケーション」を開発しました。これは、XenApp上で稼働するWindowsのメールアプリケーションをモバイル対応するというものです。
約2年をかけてこのアプリケーションを開発しながら、モバイル開発にはどのような機能が必要かを検討し、学習していきました。また、開発ツールが成功するためには、マニュアルの整備も重要です。対象が開発者なのでサンプルコードも数多く開発しました。さらに開発手法を紹介するビデオも作成しています。
--今後はどのような開発予定なのでしょう。
Anil:モバイル分野には、まだまだやるべきことがたくさんあります。現在、リモート環境を実現できているのはGPSセンターだけなのですが、加速度センサーや光センサーなど、さまざまな機能を開発する予定です。もちろん、さらに容易にアプリケーションを開発できる機能も搭載していきます。
--現在、どのようなテクノロジーに注目していますか。
Bruce:Citrixは常にイノベーションを続けてきた会社であり、それが誇りです。モバイルの次のイノベーション分野としては、クラウドやビッグデータに関する技術です。今後の市場はどうなるのか、顧客は何を期待しているのかに注目していきます。クラウド分野では今後、Citrix Onlineに関する発表が日本でも多くなると思います。
Anil:Windows 8には、かなり注目しています。モバイルで利用できる機能が数多くあるからです。そこでWindows 8では、単にCitrix Receiverの提供に止まらず、さまざまなモバイル機能を開発していく計画です。またHTML5などの新しいインターネット技術も次々と登場するので、これらの技術にも注目しています。
Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookページ、Twitter、RSS、Newsletter(メールマガジン)でも情報を配信しています。