クラウドと「iPad」の繁栄--そしてギーク時代の終焉

Jason Hiner (TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 2012年05月29日 07時30分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ギークの時代はかつて、永遠に続くかのように思えたものの、ユーザーの期待が時とともに変わるにつれ、IT部門、およびIT関係の仕事の未来も劇的な変化を余儀なくされている。

 15年ほど前であれば、どのような仕事をしているのかと尋ねられて「コンピュータ関係です」と答えようものなら、羨望のまなざしで見つめられ、「高給を得ているだけでなく、仕事の心配などとは無縁の世界に住んでいるはずだ」という相手の思いを肌で感じることができたものだった。

 当時は「IT関係のスキルを有した人材の不足」が全国的なニュースとなっており、米国ケーブルテレビ局のインフォマーシャルでは、2週間の講座を受講するだけでネットワーク管理者やヘルプデスク担当の技術者になれ、年間7万ドルを稼ぎ出すIT技術者への道が開かれると謳っていた。

 このような謳い文句が完全な絵空事であったことは、この際どうでもよい。ただ、こういったインフォマーシャルの存在自体、IT関係の仕事が世界で最高の仕事の1つだと見なされていたことの象徴だと言えるだろう。当時は、世界中にデジタル化の波が押し寄せ、IT業界は今後何十年もの間、素晴らしい就職先であり続けるだろうと考えられていた。

 では、何が起こったのだろうか?

 アウトソーシングというトレンドが生み出された。また、オフショア開発が盛んになった。さらに膨大な予算をかけたITプロジェクトがいくつも失敗した。そして、IT関係の予算が縮小の憂き目に遭った。

 従来のIT部門に課されていた役割が縮小していった背景には、これらすべての要素があったと言えるだろう。しかし本当の原因は、こういったテクノロジを実際に使用する人々の抱く期待が劇的に変化したことにある。

 ここで述べている実際に使用する人々というのは、業務部門の従業員のことである。彼らはIT関係の購入にまつわるすべての意思決定や、あらゆる機器の設定、すべての障害対応をIT部門に任せていた。なんと10年前には、彼らの半数がマウスの接続方法すら知らなかったのだ。


提供:iStockphoto/stacey_newman

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]