IDC Japanは5月29日、2012~2016年の国内サーバ市場予測を発表した。2012年の市場規模は前年比9.9%減の4226億円になる見込み。2011~2016年の年平均成長率は3.5%減と予測している。
2011年の国内サーバ市場は、富士通の「京」が貢献し、前年比4.1%増と比較可能な2001年以降で初めてのプラス成長となっている。2011年の出荷実績から「京」効果を除くと、前年比4.4%減になる。実質的には市場の縮小傾向が継続しているが、小幅な縮小におさまったと分析している。
製品分野別では、x86サーバが前年に続いてプラス成長。ITサービスと通信業向けの出荷が好調になっている。IA64サーバとビジネスサーバは前年から小幅な減少にとどまっている。IA64サーバでは通信業向けに大型案件があったという。メインフレームは、2009年から3年連続で2桁のマイナス成長になっている。
2012年の市場規模は「京」の反動があり、2011年から9.9%の縮小を予測されている。「京」を除いた場合だと、前年比4.5%減の縮小になる。2012年のx86サーバの出荷額は、前年比2.2%減と予測している。2011年に引き続いてITサービスと通信業向けの出荷が堅調と見ているが、1000台以上の大口案件が多くあった2011年の反動が出ると予測している。

2012~2016年の国内サーバ市場は年平均成長率が3.5%減と、小幅な縮小におさまると予測。2016年の市場規模は3918億円になるとみている。
IDC Japanの都築裕之氏(サーバーリサーチマネージャー)は2011年について「東日本大震災や欧州連合(EU)の経済危機、円高の影響で企業のIT投資に対するコスト削減意識は一層高まった」とコメントしている。その一方で「災害復旧(DR)や事業継続計画(BCP)の重要性が広く認知された。スマートフォンの普及でネットビジネスや通信関連のサーバが好調だった」とも説明する。
都築氏は「今後の国内サーバ市場では、小幅な変動を予測しているが、着実に進む市場構造変化に加え、市場環境変化への対応が必要。サーバビジネスに関連するベンダーには、市場変化をいち早くとらえ、スピードを持ったビジネス展開が求められる」と説明している。