日本IBMは5月30日、パブリッククラウド「IBM SmarterCloud Enterprise(SCE)」のサービス品質契約(SLA)を99.5%から99.9%に引き上げたことを発表した。膨大なファイルの保存と、指定することで自動的に相互データ複製を提供する「オブジェクト・ストレージ」をSCEのオプションで提供することも発表した。
1年を時間(分)で表すと52万5600分であり、99.5%は52万2972分、99.9%は52万5074.4分になる。0.4%の引き上げは1年間で2102.4分、つまり35.04時間(1.04日)稼働が安定することを意味している。
オプションで提供されるオブジェクト・ストレージは、膨大だがアクセス頻度の少ないデータの保管に適しているという。ネット経由で世界中のどこからでも大容量ファイルにアクセスでき、オフィス文書や音声、画像、動画といった非構造化データにも対応する。SCEのシステムとは別のデータセンターで提供するため、災害対策としてのデータの二重化にも活用できると説明する。
税別料金は月あたりの平均使用量で1Tバイトまでで1Gバイトあたり21円。大量に利用するほど単価が安くなり、保管したデータ量だけを月あたりの平均使用量(Gバイト単位は切り上げ)で課金するため、ストレージ容量の管理を心配せずに経済的に利用できると説明する。
SCEにオブジェクト・ストレージがオプションで提供されたことで、仮想マシンに付随するストレージ、仮想マシンに直接付け外しできる永続ストレージに加えて、膨大なコンテンツやアーカイブファイルなどの保管に最適なオブジェクトストレージを選択肢として影響できると、そのメリットを強調している。