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JBMIA新会長にキヤノンの内田相談役--新興国開拓などに取り組む意向

大河原克行

2012-05-30 17:40

 一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)は、5月29日に開催した定時総会で、新会長にキヤノン相談役の内田恒二氏を選出。総会終了後、報道関係者を対象に会見を行った。同協会は今年度から一般社団法人へ移行しており、移行後初めての会長となる。

 内田新会長は、「国内の行きすぎた円高と株安にいくぶん反発傾向がみられ、震災の復興も緒につき始めて、ようやく明るい兆しがみえている。しかし、原発問題に解が見えず、この夏だけでは留まらない電力供給や健康不安が影を落としている。国内問題が解決できないままであり、日本の企業が足踏みをしている状態だ。グローバルな激しい変化に対応しているアジアの企業に比べて、日本がかつての輝きをなくしている」と指摘。

会長に就任した内田恒二氏(キヤノン相談役)
会長に就任した内田恒二氏(キヤノン相談役)

 「2010年はリーマンショックから立ち直り、3年ぶりのプラス成長となったが、2011年は震災に出鼻をくじかれた形でマイナス成長となった。しかし、会員各社の後半の巻き返しにより、マイナス幅は5%で留まった。2012年第1四半期の複写機および複合機の国内出荷金額は、前年同期比20%増を超えたことで回復の兆しが多少見えている」と事務機器業界の現状を示した。

 また、「よい製品を出せば購入してもらえる時代は過ぎ去り、事務機器を活用した課題解決を提案するソリューシヨン型営業に変わった。サービスにおいても、デバイスの修理に留まらず、ネットワークなどのオフィスのインフラに関する知識も求められ、顧客の相談相手として期待されている。毎日、日本のお客様を訪問している彼らが、業務の効率化、オフィス環境改善の提案とともに、元気や笑顔を届けることが日本を元気にすることにつながる。これが当業界の使命でもある。そのためには、当業界も活性化し、元気になる必要がある」などとした。

 新会長としての政策では、新興国市場開拓の推進、地域温暖化対策への取り組み強化、オフィス環境の見える化の3つの課題に取り組むことを示した。

 「新興国市場開拓の推進では、日本企業が世界規模で極めて高いシェアを誇る事務機器を、中国市場に続く新興国市場に投入しやすい環境を整え、日本のプレゼンス向上を図る。また、温暖化対策の取り組みでは、原発問題でCO2削減問題が霧のなかに入ったが自らできる道を粛々と行うこと、リサイクルや省エネルギーなどの進んでいる技術や仕組みについては業界をあげて取り組むことが必要である。さらに、オフィス環境の見える化では(オフィス機器の統合インターフェースである)BMLinkSによる接続デバイスの電力消費表示機能をベースに、可視化による電力削減やデバイスの最適配置を図るほか、スマートグリッドやクラウドといった技術革新の動きを研究し、次世代オフィスのあるべき姿を提案する」と語った。

 これら3つの課題を解決するためには、「海外を含めた関係機関や業界団体との連携が必要になる。会員も役立つ情報をタイムリーに発信していくことで、躍動感、スピード感、一体感を生み出すことも必要である。一般社団法人元年として、会員の声に耳を傾け、改革の視点を常に持ちながら、合理化、効率化を積極的に進めていく」とした。

前会長の山本忠人氏(富士ゼロックス社長)
前会長の山本忠人氏(富士ゼロックス社長)

 また、前任の山本忠人氏(富士ゼロックス社長)は、「2年前の就任時はリーマンショックからの回復に向けた時期であったが、その後も東日本大震災やギリシャの財政危機を発端とした景気低迷が続き、今後も経済動向から目が離せない状況にある。在任期間中、中国課題への対応、環境対応、公益法人制度改革の3つの重点課題を表明した」と述べた。

 「中国の課題対応では中国パートナーシップ会議という体制をつくり、中国政府および関連団体への訪問、環境関連の現場視察などを通じて情報交換を行い、課題解決に結びつけてきた。情報セキュリティ(製品の)強制認証制度などで一定の成果をあげることできた。環境問題に関しては、電機・電子4団体のひとつとして、低炭素社会実行計画の製品貢献に関し、MFPとプリンタを対象製品として参加した。公益法人制度改革では、今年4月に無事に一般社団法人に移行することができた。今後は、内田新会長の見識とリーダーシップによって、業界の発展に貢献することを期待したい」(山本氏)とした。

 一方、2012年度事業計画については、事務機械の需要予測などを行う「調査統計・広報事業」、国内外の製品の安全性や各種規制動向の情報収集、知的財産権に関連する法規制などの改正動向などに関する調査をはじめとする「技術事業」、JBMSやJBMIA-TRの標準化作業や、BMLinkSに関する機器の開発および普及・啓蒙活動などを行う「標準化事業」、欧米のビジネス機械関連機関や団体との国際交流を行う「国際事業」、国内外の製品に関する環境規制や環境ラベルに関する情報収集や情報提供などを行う「環境事業」、プルーエンジェル基準やエネルギースターの改訂に対する意見集約をはじめ製品別の課題に対応する「製品別課題対応事業」などに取り組む考えを示した。

同協会の中西英夫専務理事
同協会の中西英夫専務理事

 同協会の中西英夫専務理事は、「インドネシアにおける事務機器の使用実態調査を新たに行う。また、一般社団法人化したことにあわせて、ホームページを改訂した。こうしたツールを活用することで、リアルタイムでわかりやすい情報を提供していきたい」としたほか、「昨年度は大地震発生時における複写機の安全性について取りまとめたが、これを今年も推進していく」と語った。

 また、「新興国市場強化の観点から、エマージング市場に関する情報収集活動やインド市場の現地調査を実施する」という活動計画も発表した。

握手する内田恒二新会長(左)と山本忠人前会長(右)
握手する内田恒二新会長(左)と山本忠人前会長(右)

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