9)ベンダーのプラットフォームが提供しているAPIや標準はまだ揺籃期にあるため、大企業にとってプラットフォームの決定は容易ではない。世の中には、OpenStackやCloudStack、Amazonといったさまざまなプラットフォームが存在しているものの、どのAPIが生き残るのかは、こういったAPIの周辺に生み出されるエコシステムによって変わってくるうえ、複数のスタックが入り込む余地もまだまだあるとクラウドプロバイダーらは述べている。
しかし大企業は、どれか1つに的を絞り、それに賭ける必要などない。まずはパブリッククラウドとプライベートクラウドを試したうえで、APIの進化を見極めるべきなのだ。淘汰にさらされることでAPIは発展し、互換性や信頼性、レイテンシといった懸念が解消されていくことになるだろう。その結果、より多くの大企業がミッションクリティカルなアプリケーションをクラウド上に安心して配備できるようになるはずだ。
10)Rubin氏によると、ハイブリッドクラウドは大袈裟に騒ぎ立てられているものの、コンセプトとしては消え去ることがないだろうという。その一方で、大企業は複数のクラウドプロバイダーや既存のデータセンター、複数の場所に配置されているさまざまな仮想化環境の間での連携方法を見つけ出す必要があるとも主張している。幸いなことにクラウドプロバイダーたちによると、大企業は既存のものを捨て去ってリプレースする必要はないという。大企業はレガシーアプリケーションを開発し直すことなく、クラウド上にそういったものと近代的なアプリケーションを配備することができ、少しずつ移行していくということもできるのである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。