関本氏は、処理用のシステムを、新たに自前で構築し直す手間やコストと比較した際、AWSを活用すれば事前にコストの見積もりが簡単にできるといったメリットも大きいが、同時に、新しいアルゴリズムの開発などに最大限の時間を割きたい研究者にとって、AWSの活用は時間の節約に大きく貢献していると話す。
「各人のテーマに直接関係のない分散処理特有のプログラム言語の勉強をする必要がない。誰もが気軽にAWSを利用して研究に専念できる。処理スピードが50倍~70倍となれば、チームの成果も格段に上がります」
今後のAWS活用について、関本氏は「民間も含めた各関係機関との共同研究が今後活発化していくと考えていますので、AMI(Amazon Machine Image)のリージョン間でのマイグレーションにはとても興味があります。また、Amazon EMR (Amazon Elastic MapReduce)やAmazon RDS (Amazon Relational Database Service)を現状の分散処理に適用させていきたい」と話す。
公共の利益に資することを条件に、「人の流れプロジェクト」は幅広い企業、研究機関にも成果が提供され、共同研究も活発化している。AWSが提供する高いデータ処理インフラは、日本の地理情報活用の進展にさらなる拍車をかけていると言えそうだ。
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