--マスターデータやBOMを統合するプロジェクトは、国を問わず多くが苦労すると聞きます。
ベリオ氏:マスターデータの統合はまだ始めたばかりで、PLMのデータをERPに移行させようとしているところです。ただ製品情報を一元化できることの利点は強く認識しています。さまざまな種類の情報を1つのシステムに統合することで、それが共通言語になり、それを起点に設計用、製造用、コスト管理用などのさまざまな部品表を作れば、矛盾なく正確な情報管理ができます。
WhirlpoolのベリオCIO。以前はボーイングに所属していた
バーク氏:何百万ドルもかけるこの一元化の取り組みですが、グローバルを見据えた会社の戦略と合致していることを説明したところ、上層部も納得してくれました。しかし、マスターデータやBOMの統合は大変な作業のため、終わりなき旅だと思っています。
日本の家電メーカーの多くが深刻な業績悪化に見舞われています。同業として、どう考えていますか。
ベリオ氏:日本企業の状況は認識しています。米国企業と日本企業は同じ状況に直面しています。アジア各国などからこれまでいなかった競合企業が台頭し、競争を強いられているわけです。われわれはそうした状況を受け、このシステム構築に取り組んでいます。
「マスター統合は終わりなき旅」と話すバーク氏はキーノートでWhirlpoolの商品ラインを紹介した
ただし、冷蔵庫や洗濯機を作るということと、世界経済の悪化などの外の世界での出来事は、基本的には別のものです。ハードウェアを作るという行為は、それはそれとして常にあります。だから、外の世界とものづくりの世界をいかにつなぐかということが自らの使命と考えています。
CIOとしてベリオ氏にお聞きします。CIOの立場に、昔と今で違いがありますか。
ベリオ氏:まったく違っています。10年前なら、CIOはただのIT担当者としか見られていなかった。今は、経営層と一体になって企業戦略としてITを見るのが当たり前になっている。今回のカンファレンスに出て、経営改革を話していることからも分かるでしょう。
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