リコージャパンとシスコシステムズは6月5日、通信コミュニケーション分野での協業を発表。「リコービジネスインターネットサービス(RBIS)」を10月から提供する。
RBISは、シスコの「Cisco Unified Communications Manager」などを採用して、これまで社内設置(オンプレミス)で運用していた構内交換機(PBX)の機能をクラウドサービスとして提供。IP-VPNサービスのほか、シスコのIPフォン、各社のスマートフォンやタブレット端末などの各種デバイスの一括導入にも対応する。
ネットワーク接続やセキュリティの設定を一括で行うため、IT専任担当者の確保が難しい中堅中小企業でも、最新のコミュニケーションツールを安心、安全、リーズナブルに活用でき、クラウド環境で内線と外線を含む電話、メール、ウェブ会議、ビジネスチャットなどのコミュニケーションを行うためのアプリケーションを利用できるようになる。企業内で個人が所有するデバイスを活用するBYOD(Bring Your Own Device)への対応も可能となっている。
シスコ代表執行役員社長の平井康文氏は「サービスの多くはシスコシステムズの製品であり、今後、パートナー会社とともに、RBIS向けのソフトウェアを開発し、提供していくことになる」と説明する。
クラウドサービスの運用は、リコージャパンが担当。リコーグループの運用、保守サービスを提供するリコーテクノサービスを通じて、ヘルプデスクや遠隔監視のほか、全国381拠点約6900人体制によるオンサイト保守を提供する。
リコージャパンは、通信コミュニケーション分野でビジネスフォンでは約4万事業所、PBXでは約1万事業所、ネットワーク構築・運用支援を行う「BBパック」では約10万事業所への導入実績があるという。加えてスマートデバイスの導入支援も提供する。
2011年8月から発売したユニファイドコミュニケーションシステムでは、1000ユーザーへの導入実績を持つ。2011年度実績では、BBパックで前年比20%増の成長、スマートデバイスの導入支援では前年比3倍の成長を遂げているという。

リコージャパン代表取締役社長執行役員の佐藤邦彦氏は、「コミュニケーションの質の向上と効率化に対する顧客ニーズが高まっている。中堅中小企業に対して、お客様の働き方を変える提案で生産性の向上と通信コストの削減を実現。時間と場所を超えた最適な方法でコミュニケーションできる環境を中堅中小企業の顧客に対して、ワンストップで提供する」と説明する。
「シスコの強みであるコミュニケーション分野における世界ナンバーワンシェアという高い実力、高品質の製品サービス群、クラウドサービスを支える高い信頼性のネットワーク基盤と、当社が持つ中堅中小企業の顧客を中心に長年培った顧客関係力、実践事例や導入事例に裏付けられた価値提供力を加えることができる。ドキュメント、ITサービスに続く大きな事業の柱としてコミュニケーション事業を育てたい」(佐藤氏)

リコージャパン専務執行役員の窪田大介氏は、「リコージャパンは、ドキュメントプリンティングソリューションのノウハウを活用したクラウドドキュメントサービス、“Office 365”をはじめとする25種類のパートナーが提供するクラウドサービスをワンストップで提案する“ワンストップくらうど”に加え、新たに開始するクラウドコミュニケーションサービスの3つの領域に、クラウドビジネスを絞り込む」と今回のビジネスの意義を説明する。