PLM大手の米PTCが6月3日から4日にわたり開催している「PlanetPTC Live」には、ユーザー1300人、パートナー企業から300人、記者およびアナリストが80人、PTCのスタッフが400人で、合計でおよそ2100人が訪れている。
6月5日のキーノートには、NASAでエンジニアリング担当ディレクターに加え、トヨタ自動車やBMW、Apple、Intelでエンジニアリングデザインを務めた経験を持つマサチューセッツ工科大学(MIT)の教授が登場、1975年から2000年までに生まれたいわゆるGeneration Yがエンジニアリングの文化に与える影響について解説した。日本の同世代と共通しているものの、グローバルへの感覚などに微妙な違いもありそうだ。
ベビーブーマー、Generation X、Y、Zの定義
MITでエンジニアリングシステムを担当する教授、スティーブン・アペンジャー氏は「Generation Yは仕事場がどこなのか分かっていない。でも、ここで仕事をしている」と柔軟なワークスタイルへの感覚を持つことを説明する。Generation Yは、世代として、生まれながらにしてインターネットやソーシャルネットワーキングツールを使いこなす世代を指す言葉として米国で広く知られている。
「みな同じテレビを見て、同じ経験をしてきた」という1940年から1960年に生まれた米国のベビーブーマーとの対比をアペンジャー氏は強調した。
ベビーブーマー世代の体験
「Gen Yは“Gen F”つまりFacebook世代であるともいわれる。社交的で世界中の人々とつながろうとする。そして起業家でもある」(アペンジャー氏)
これがエンジニアリングデザインという職業そのものに、深く衝撃を与えるというのが教授の意見だ。
「エンジニアリングを基盤にしたビジネスは、確実にオープン化、他者との協同化への道をたどるだろう。リーダーも困難にぶち当たる。世界にまたがるプロジェクトを担当し、Gen Yのような従来とは異なる若いエンジニアを指導しなくてはいけないからだ」(同)
Gen Yのバックグラウンド体験
同氏が示したGen Yの特徴は例えばこうだ。
- 企業や政治を信じていない
- 官僚的な考え方に我慢できない
- 短期的なキャリア志向
- ワークライフバランス達成のためなら収入を犠牲にする
- 独立したワークスタイルを好む
- 情報に敏感だ
- 仕事と個人の時間の境界線があいまい
- テクノロジーのスキルを持つ人に好意的
- グローバリゼーションによる利益を信じている
- 人種や文化の多様性を好む
- 社会的な意識が強く、人とつながろうとする