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今週の明言--SAPのDNAはアプリケーション - (page 2)

松岡功

2012-06-06 12:00

 パートナー経由のビジネスなので明示しづらい事情があるようだが、一例でも目安にできる提示がほしかった。BIもEPMも「導入したいけどコストがかかりすぎて…」とのユーザーの声が少なくないだけに、アナリティクス市場をリードするSAPには今後、コストパフォーマンスの透明化でもリーダーシップを期待したい。

「柔軟なクラウド環境を構築するためには、サーバやストレージの仮想化だけでなく、ネットワークも仮想化する必要がある」(ストラトスフィア 浅羽登志也 代表取締役社長)

 インターネットイニシアティブ(IIJ)とACCESSの合弁会社であるストラトスフィアは6月4日、同社の主力事業であるSDN(Software Defined Network)に関する最新技術動向の記者説明会を開いた。浅羽氏の発言は、その説明会で、ネットワークの仮想化を実現するSDNの必要性を語ったものである。

 SDNは、クラウド上でネットワークの仮想化と運用の自動化を可能にする新しい技術モデルとして注目を集めており、その要素技術であるOpenFlowとともに基盤ソフトウェアの開発が米国を中心に進んでいる。

写真2 ストラトスフィア 代表取締役社長 浅羽登志也氏

 4月5日に設立したばかりのストラトスフィアは、クラウドとネットワーク運用技術に強みを持つIIJと、ネットワークとモバイル技術分野でのソフトウェア開発力に定評を持つACCESSが相互に優秀な技術者を集め、早期に革新的なプロダクトを投入することで、立ち上がりつつあるネットワーク仮想化市場をリードしていくことを目指しているという。

 IIJ関連会社の社長も兼務する浅羽氏の説明によると、SDNが注目される背景には、サーバやストレージの仮想化が進むクラウド環境において、仮想化された計算リソース(CPUやメモリ、ストレージなど)をシステムとして組み上げるためのネットワークが仮想化に十分対応できていないため、クラウド環境を活用した柔軟なシステム構築が難しい現状があるという。

 とくにマルチテナントのクラウド環境や、複数の仮想マシンとデータセンターを広域に分散するようなケースでは、ネットワークの複雑な構成管理や物理的な制約がボトルネックになっていると指摘する。

 SDNはこうした課題を解決し、複数の機器で構成ネットワーク全体をソフトウェア制御することにより、ネットワークの仮想化を実現するものだ。SDNのもとでは、場所に依存することなく、分散したデータセンター間でも必要な台数の仮想マシンの増設や移行を、任意のネットワークトポロジのもとで容易に、かつ短時間で行えるようになり、より柔軟なクラウド環境の構築が可能になるとしている。

 そうした中で、ストラトスフィアはSDNに基づく仮想ネットワークからIaaS、PaaS、SaaSまでクラウド環境全体を統合制御するための基盤ソフトウェアの開発を行い、その製品をIIJとACCESSを通じて、データセンター事業者や通信事業者などに販売していく計画だ。

 SDNは業界関係者の間でも「近い将来、ネットワーク市場の主流になる」と見る向きが少なくない。日本でもNECやNTTコミュニケーションズなどが力を入れており、激戦市場になるのは間違いなさそうだ。

 ちなみに、「ストラトスフィア(Stratosphere)」は成層圏を意味し、雲(クラウド)よりも上にあることから、クラウドを超えた上を目指していく意志を表している。また、成層圏は気象が不安定な対流圏を覆っている安定した層であることから、クラウド全体を包括して安定的に発展させるための技術を提供する使命を表現しているとか。思わず舌を咬みそうな社名だが、技術者集団の志が十分伝わってくるネーミングである。

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