経営層への訴求を強化
ただし、こうしたエンタープライズ向けサービスは、現状ではあまり認知されていない。
「エンドユーザーの認知度はまだ不十分」と阿部氏も認める。特にエンタープライズ向けの規模の大きなサービスとなると、現場担当者だけでなく、予算決定権を持つ層や経営層に訴求する必要がある。Googleは、経営層へエンタープライズ向けサービスの認知度を上げるためにどんな施策を打つ計画なのか。
その質問に対し阿部氏は、「経営層向けの訴求は、特定のサービスの説明をするよりも、当社自身のワークスタイルを公開すると、先方から“実はこんな悩みがあるのだが……”と相談を受けることが多い。機能を販売するのではなく、そこから生まれるビジネスバリューを訴求していく」と話す。
決して容易なスタイルではないが、インターネット分野で新しい価値追求を続けてきたGoogleだからこそ成立する手法といえるのかもしれない。
これを実際のビジネスとしていくために、社内及びパートナーのトレーニングも欠かすことはできない。
「新しいサービスが次々に登場し、さらに複数サービスの連携となると提案を行う我々やパートナー側にもトレーニングも必要になるだろう。これまではGoogle Appsの販売のみのパートナーが多かったが、複数のサービスを販売できるパートナーを増やす必要もある」
2012年の日本でのエンタープライズビジネスの進捗は、エンドユーザーへの訴求と、それを企業導入に結びつけるGoogle自身の営業提案力、パートナーのサポート力向上が鍵を握ることになりそうだ。
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