グレープシティは6月12日、米ComponentOneとの間で買収契約を締結したことを発表した。この買収により、グレープシティはComponentOneの米国の顧客を獲得する。買収は7月1日に完了する見込み。買収金額は非公開だが、数億円規模だという。
米ComponentOneは「米国市場でトップ5に数えられるコンポーネントベンダー」(グレープシティ)。年内の発売が見込まれる米Microsoftの次期OS「Windows 8」と、統合開発環境「Visual Studio 2012」のリリースを前に、ComponentOneを買収することで両社の開発ツールを世界中で展開させる考えだ。
グレープシティ ツール事業部 マーケティング部 部長の福地雅之氏は、「当社とComponentOneは、製品の日本語版を提供するという形で、長い間にわたりパートナー関係にあった。今回、買収することで一つになり、日本だけでなく、米国、欧州、日本以外のアジア市場と広く展開していくことになった」と、買収の背景を語る。
また、買収の狙いについては、「ComponentOneはHTML5やjQueryなど(の開発ツールを提供するなど)新しいことにチャレンジする会社。グレープシティは、(ComponentOneの製品の)品質を上げて(日本市場向けに)提供しており、その点ではいいパートナーだった。今回の買収は、いわば日本の品質を世界に届けるということになる」と語っている。
今後、日本市場ではComponentOneの製品をグレープシティブランドに、日本市場以外ではグレープシティの製品をComponentOneブランドとして販売する。グレープシティでは今後、インド、中国、韓国、米国、EUでの販売を強化する意向を示している。