デルソニックウォールは、中小規模環境向け次世代ファイアウォールの新製品群を発表した。6月11日から出荷を開始している。
今回発表された製品は「TZ 105W」「TZ 205W」「TZ 215W」の3機種。ファイアウォール、VPN、ゲートウェイアンチウイルス、IPS、コンテンツフィルタリング機能などを1台に統合した製品となっている。
TZシリーズは製品ラインアップでいえばローエンドに位置するが、TZ215Wでは次世代ファイアウォールの特徴でもあるアプリケーションの可視化機能と、アプリケーショントラフィック解析機能を提供する。同社では、小規模ネットワークでも、エンタープライズクラスのセキュリティを提供できるとしている。
新製品ではメモリを増強してパフォーマンスの向上を図った。また、TZ215WはデュアルコアCPUを搭載することで、トラフィックの増加にもスムーズに対応できるとしている。
内蔵するOS「SonicOS」は、メジャーバージョンアップが年に1回、マイナーバージョンアップが四半期に1〜2回というスケジュール。今年は夏から秋にかけてバージョン5.9がリリースされる見込みだ。5.9では多機能化を図るとともに、IPv6に対応する予定だが、同社によれば「(もっともローエンドの)TZ105Wでもきちんと稼働する」ようにチューニングするとしている。
SonicWALLは3月、UTM市場の成長を見込んだDellとの間で買収合意に達していた。DellはSecureWorksを買収するなど、セキュリティ事業に力を入れている。SonicWALLの最初の大規模ユーザーはDellが手がけたとされており、ビジネス面で強い信頼関係があったことがうかがえる。
SonicWALLはSMB向け製品に強みを持つが、2011年2月に発表した「SuperMassive」シリーズでエンタープライズ(大規模企業)向けに参入していた。SMB分野ではFortinetと、大規模向けではPalo Alto Networksと競合している。