日本企業の良さを世界に伝えるマーケティングを--「DBFocus Global」

五味明子

2012-06-13 15:25

 シンフォニーマーケティングは6月13日、同社のマーケティングプラットフォーム「DBFocus」をベースにしたアジア向けマーケティングを支援するサービス「DBFocus Global」の提供を開始した。

 同社 代表取締役 庭山一郎氏は「日本企業はすばらしい技術、製品、サービスをもっているのに、その良さが世界に正しく伝わっていないのは、正しいマーケティングをしていないから。DBFocus Globalは日本企業が世界で勝つためのマーケティングを現地で支援するサービス」と語り、とくにアジア市場に進出する製造業の現地マーケティングを支援していくとしている。

 DBFocusは製造業を中心とするBtoB企業向けのマーケティング支援サービス。主要顧客には大成建設、オリンパス、黒田精工、CA Technologies(日本)、SAPジャパンなどの名前が上がる。法人営業のプロセスにおける「展示会やイベントで集めた見込み客を育成/絞り込む」というフェーズに特化したマーケティングサービスを、システムとコンサルをあわせた形で提供している。具体的には、

  • リストマネジメント(データを整える)
  • インフラ整備(データを貯める)
  • メール配信、Webコミュニケーション(見込み客を育成する)
  • 分析、レポート(見込み客を絞り込む)

という4つのマーケティングフローを管理するツールやインフラに加え、マーケティングディレクターやマーケティングオペレーターといったマーケティングのプロによるオペレーションを提供することで企業のマーケティング活動を支援する。

  • サービスのイメージ

  • サービスの構成要素

 今回発表されたDBFocus Globalは、DBFocusを海外で活用したいという顧客の要望に応えたもの。「日本企業がアジアに支社や営業所を置く場合、3〜5人程度の日本人出向者と15人程度の現地採用スタッフという構成が一般的。これでは販売やメンテナンスで手一杯となり、マーケティングにまでは手が回らない」と庭山氏。日本人出向者は現地の言葉にも文化にも精通していないケースがほとんどで、当然ながら現地の見込み客を創出するようなマーケティングは難しい。「日本の本社主導でありながら、それでいて現地の人々の心に響くようなメールやWebサイトを提供できるマーケティング、DBFocus Globalがこれを実現する」(庭山氏)

 DBFocus Globalは中国語(繁体字、簡体字)、ハングル、英語の4言語に対応し、それぞれの地域で使われている言葉でメール配信やWebサイト構築を行い、見込み客の創出と絞込みをはかる。シンフォニーマーケティングは今回のサービス開始にあたって、シンガポールに本社を置くマーケティング企業Verticalと提携しており、現地の市場に精通したマーケティングノウハウとスタッフを活用できるとしている。

 庭山氏はVerticalをパートナーとして選んだ理由として「アジア全域に強力なネットワークをもち、欧米企業のアジア戦略パートナーとしても名前が上がることが多いBtoB向けマーケティング企業。世界最大手のマーケティングツール『Eloqua(エロクア)』の導入支援も多く手がけていることも大きい。また、BtoBマーケティングに対する価値観が当社とよく似ている」と語る。DBFocus GlobalはDBFocusとEloquaをつないだインフラを構築し、その上で各サービスを展開していくという。

庭山一郎氏
庭山一郎氏

「世界に日本企業を見なおしてもらいたいというのが我々の願い。日本企業の技術はすばらしく、サービスも非常に誠実。残念なのは、その良さを自分たちで表現することが上手ではないこと。それなら、我々が代わりに正しく伝えるお手伝いをしたい。DBFocus Globalはその支援のための枠組み」と庭山氏。

 アジア市場というと中国が真っ先に思い浮かぶが、最近はインド、ベトナムでも展示会などのイベントが多く開催されるようになり、これらの地域への進出を検討する製造業が増える傾向にある。また、アジア進出の拠点としてシンガポールを選ぶ企業も多い。

 「世界で勝つためにはマーケティングのスキルは必要だが、ノウハウがない企業にはものすごく負荷が高い。それを我々がすべて肩代わりし、日本企業が魅力的に見えるマーケティングを支援する。それが我々の仕事」(庭山氏)

 DBFocus Globalは今後2年間で製造業を中心に50社の導入、受注金額10億円を目指すとしている。

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