スマートフォンやタブレットといった「スマートデバイス」が消費者向けに急速な普及を見せている。それを受けて、企業においても「スマートデバイスでビジネスを盛り上げられないか?」という期待が高まっている。だが、スマートデバイスを従来型の携帯電話やノートPCの延長と捉えるだけでは、新たなビジネス展開を実現することは難しい。
そこで本稿ではユーザ企業を対象とした調査結果や導入例を通じて、従来の延長線とは異なるスマートデバイス活用のポイントについて俯瞰していくことにする。
スマートデバイス活用シーンを整理する
自社にとっての新たなビジネス機会を見出すためには、スマートデバイスの活用シーンを体系的に整理しておく必要がある。色々な考え方があるが、ここでは以下の2つの軸で整理をしてみたい。
「社内向け」or「社外向け」企業内における社員間のコミュニケーションを活性化/効率化することを目的とするか、それとも顧客に対する販売やプレゼンテーションの改善/向上を目的とするかという分類軸である。
「企業所有」or「個人所有」スマートデバイスを企業側が調達するか、それとも個人が所持しているものを業務に適用するか?という分類軸である。
これら2つの軸をかけあわせることで、以下のように4つのパターンが形成される。以下ではこのパターン毎に活用ポイントを見ていくことにする。