ファーストサーバ障害:ユーザー企業やクラウド事業者に与えた心理的なダメージ

怒賀新也 (編集部) 2012年06月26日 16時22分

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 レンタルサーバ事業者のファーストサーバが顧客のメールおよびウェブデータを消失した問題で、焦点はレンタルサーバの利用方針やクラウドへの基本的な評価など「自社のデータを社外に預ける」ことへのユーザー企業の評価に移り始めているようだ。

 中小企業を対象にしたIT調査会社、ノークリサーチの伊嶋謙二社長は「一時的にユーザー企業が不安を持つ可能性はあるが、クラウドコンピューティング環境でシステムを構築するという大きな流れは変わらないだろう」と指摘する。

 一方で、不安も漏れ聞こえている。SaaSのGoogle AppsやPaaSのGoogle App Engineでのシステム開発を手掛ける吉積情報の代表取締役、吉積礼敏氏は「今回の顛末やユーザーの動向を非常に気にしている」と話す。

 「ファーストサーバだけでなく、サイボウズなどがどのような対応をするのか、サービス提供側としてクラウドインフラの品質担保とリスクヘッジをどう考えるのかといった問題が、より現時的なものとして浮き彫りになった」(同)

 これについて吉積氏は「今回の件をみると、なかなか論理的でコストパフォーマンスの良い答えが出せそうな気がしない」とする。

 「外部のクラウドサービスを完全に信じて万が一のことが起きたときどうするのか。かと言って、自社運用の方が品質、安全性が高いとはいえない。コストパフォーマンスが悪く、難易度も高い」(同)という。

 同氏は「自動バックアップをローカル環境に取る仕組みを考えようと思うが、実質的にローテクで運用が困難。データ容量が増えれば物理的に不可能になる。できれば、そういったことをせずに事業者を信頼して任せたい」と話す。

 社外に預けたデータが消失するという事態になすすべがないという状況を考えると、利用企業が抱く不安は容易に想像できる。SLAや約款の厳格な確認など、打つ手はあるものの、吉積氏の意見やソーシャルメディアでの反応を見ると、利用企業に与えた心理的なダメージが大きいことが分かる。

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