サービスデスクをITリソースの一環として管理する「Nimsoft Service Desk」が目指すもの

三浦優子

2012-06-28 10:33

 サービスデスクを管理するためのソリューションとしては、問い合わせをしてきたエンドユーザーを管理するものとして顧客情報管理システム(CRM)が利用されることも多い。しかし、CA Technologiesのサービスデスク管理ソフトウェア「Nimsoft Service Desk」は全く違うアプローチの製品だ。

 「確かにCRMでサービスデスクを管理している企業は多い。しかし、10年位前からユーザーの傾向が明らかに変わって来た。ITIL(IT Infrastructure Library)に即した、IT専任のサービスデスクを置く企業が増加しているため、そこに適した専用ツールが求められると考え、Nimsoft Service Deskを開発した」とCA TechnologiesのNimsoftプロダクトマネジメント ディレクターのSandeep Soman氏は説明する。

 Nimsoft Service Deskは2011年から日本でも発売されたモニタリングソフト「Nimsoft Monitor」と連携して利用することが可能。連携して利用することで、エンドユーザーからの問い合わせ状況まで含めた統合的なITリソース管理を行うことが可能となる。

写真1 Nimsoftプロダクトマネジメント ディレクターのSandeep Soman氏

 「これまでバラバラのツールを使い、管理していた環境が一変することになる。1つのスクリーンからインシデント管理、(問い合わせのための)チケット管理、CMDB(Configuration Management Database:構成管理データベース)などを確認し、状況を把握することが可能となる。統合された“ユニファイドサービスデスク”が運用できる」(Soman氏)

 実はNimsoft Service Deskの日本での発売は、米国での販売から1年遅れている。その理由もローカライズのために時間がかかったことに加え、“ユニファイドサービスデスク”という特徴を実現するためにNimsoft Monitorが発売されるのを待って発売された。「今後のアップロードについては、ローカライゼーションも含めて米国と同時発売していく予定」(Soman氏)という。

 日本では単純なIT監視モニターは広く普及しているものの、サービスデスクなどさまざまITリソースを管理するための活用は今後進んでいくと見られている。

 「障害を起こさないためのモニタリングツールの導入率は高い日本だが、モニタリングをそこから発生するさまざまなサービスを監視し、管理していくために活用していくことができるものであるという点は今後アピールすべき課題」と日本CAのNimsoft事業部 技術部マネージャの菊地崇宏氏も指摘している。ただし、Nimsoft Service Deskは単体で利用することも可能だ。「必要な部分から段階的に導入することも可能」(Soman氏)だ。

 オンプレミスでも利用できるが、SaaS版を利用すれば低コストで、短期間導入も可能となる。利用料金はエンドユーザーの数ではなく、サービスデスクオペレーターの数に応じて決められ、10ユーザーが同時接続する場合で月額21万円、10指名ユーザーが利用する場合で8万円となっている。

 SaaS版でのマルチテナンシを実現しているため、サービス事業の専業事業者が複数の顧客向けに利用することや、企業ユーザーが事業部ごとに全く違うサービスデスクを用意することもできる。

 ワークフローについても、静的なワークフローではなく、ITILのナレッジに基づいて設計されたアクションベースのワークフローが提供される。顧客ごとにプロセスが作り込まれた場合でも、その顧客に合わせたワークフローとなる。TwitterやFacebookのようなソーシャルメディアで親しまれたメッセージ送信機能やウォールへの情報書き込み、チャットといった機能も装備した。

図 ソリューションの概要
※クリックすると拡大画像が見られます

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