Microsoftがカナダのオンタリオ州、トロントで開催中の「Worldwide Partner Conference 2012」(WPC)には、世界中から過去最高の1万6000人が参加した。2004年の5000人に比べて3倍以上の規模。MS幹部のJon Roskill 氏は「ここにいる人は6900億ドル市場、6万4000パートナーの頂点だ」と参加パートナーへのリップサービスを惜しまない。
「昨年のWPCで“われわれは過小評価されている”と話したが今年は違う。キーリーダーとして認識される。このWPCがその始まりだ」(Roskill氏)
CEOのSteve Ballmer氏が務めた初日のキーノートは、次期OS「Windows 8」の発売日の発表、Office 365の新販売形態、大画面タッチパネルメーカーのPerceptive Pixelの買収合意など、盛りだくさんの内容だった。
パートナーへの感謝を伝えたBallmer氏
この発表のほかにも、先日買収の合意に至ったYammerについて、Ballmer氏が「大きな契約だった。企業ITのコンシューマー化と大きく関わっている。Yammerは既にSharePointと連携しているが、今後、Skypeともつなげていく。コラボレーションツールとして、エンドユーザーにぜひ紹介してほしい」と話すなどパートナー戦略を伝えていた。
「Microsoftのパートナービジネスは昨年から13%伸びた。クラウドソリューションは毎月10%も増収し、月に1000のパートナーを増やしている。皆のおかげだ」(Ballmer氏)
さらにBallmer氏は「今年はWindows 8の発売がある。タブレットのSurfaceもWindows 8搭載端末だ。Windows 8、Dynamics、Windows Server 2012、Windows Azure、Office 15のリリースも控えている。ゲームではHalo 4も出した。1980年代からMicrosoftにいるが、今年は歴史的な年になる」と声を荒げる。
「WindowsはMicrosoftの魂だ。YouTubeで自分の動画を見ると、私はいつも“Windowsだ”と叫びまくっている。Windowsはすべての接着剤のようなものだ。Windows 8はビッグツールだ、時々うわさに聞く、とかそんなものではない。これからOEMを通じてWindows 8搭載の3億7000万台の新たなPCが販売されるだろう。店舗や新しいアプリの開発など、どれもパートナーにとって大きなチャンスだ」(Ballmer氏)
各メーカーのパソコンを紹介したTami Reller氏
この日、Windows 8搭載予定パソコンとして、コーポレートバイスプレジデント兼CFO(最高財務責任者)のTami Reller氏がスクリーンで紹介したのは、11インチのタッチスクリーンを備えるAcer「Aspire S7 13」、富士通のタブレットPC「Q702」、Hewlett-Packard「Spectre XT Pro」、Lenovo「A720」など。さらにLenovoの360度折り曲げ自在モデル「YOGA」には、会場から拍手が起こった。
ここで、SurfaceについてBallmer氏が質問を受けた--「Microsoftがタブレットを出すという話は、噂にすらなっていなかった。よく秘密を守れましたね」。これについてBallmer氏は「開発チームがよく秘密を守ってくれた。秘密にするべきものはまだあるけどね」と含みを持たせた。