#10:クラウドの実際の「エコ度」
新たなテクノロジを利用しつつ、地球を救うために貢献しているという気分を味わえるのは素晴らしいことだ。そして多くのクラウドベンダーは、まさにそういったことが可能になると約束している。しかし現実には、どのクラウドも物理的なインフラに支えられている。実際のところ、クラウドコンピューティングの普及に伴い、大規模なデータセンターの建設が相次いでいる。Greenpeaceによる最近のレポートによると、新たにデータセンター施設を建設するために、毎年4500億ドルが費やされているという。こういった施設はいずれも、われわれの地球環境に大きな影響を及ぼしている。米環境保護庁(EPA)の報告書によると、北米で消費されている電力の約2%がデータセンターやサーバを稼働させるために使われているうえ、さらに増加傾向が見られるという。またGreenpeaceの主張によると、世界の炭酸ガス放出量の2%がクラウドコンピューティングによるものだという。このため、クラウドを導入する目的の1つとして地球環境の保護があるのであれば、他のクラウドよりもエコ度の高いものを選択できているかどうかを確認しておいてほしい。その際には、Greenpeaceのランキングが参考になるはずだ。
質問を投げかける
本記事にはクラウドベンダーを刺激するようなくだりもあるものの、ほとんどのベンダーはマーケティング資料を提供するだけに留まらず、上記の疑問点の解消につながる情報をユーザーの求めに応じて提供する意思を持っており、また実際に提供することもできるはずだ。しかし、どのようなテクノロジの購入や導入においてもそうだが、詳しい調査を行ったうえで、十分な情報に基づいた意思決定を行うようにすべきだろう。また、データや情報の安全性や、クラウドによってあなたの企業が必要としているセキュリティや統合、機能が提供されるかどうかを確認しておくことも、あなたの責任である。
Margaret Dawson
IT業界において20年の経験を有しており、現在はクラウドバックアッププロバイダーであるSymformのマーケティングおよび製品管理担当バイスプレジデントを務めている。クラウドコンピューティングやネットワークセキュリティ、統合、その他のビジネスおよびテクノロジをテーマにした書籍の執筆や講演を精力的に行っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。