あらゆるクラウドの導入管理を一元化
クラウド分野については、HPの推進する「HP Converged Cloud」構想に合わせた、クラウド環境の「構築」「管理」そして「利用」に関する新製品、新サービスが発表された。
同社では4月にOpenStackを採用したパブリッククラウド「HP Cloud Services」、そしてメールやコラボレーションといった特定の機能を持ったアプリケーションをサービスとして導入できるマネージドクラウド「HP Enterprise Cloud Services」を発表している。これらに、企業が独自に構築するプライベートクラウド、HP以外が提供するパブリッククラウドサービスも合わせて、一貫して管理、運用できる環境を整えるというのがConverged Cloudのアプローチとなる。そのポートフォリオの中核となるのが「HP CloudSystem」だ。
HP CloudSystemは、企業が利用するさまざまなクラウド環境を横断した一元管理機能、オーケストレーション機能、アプリケーションやインフラの配備機能をパッケージとして提供するものだ。VMwareやMicrosoft Hyper-Vといった各社の仮想化技術に対応したインフラサービスに関する管理は「CloudSystem Matrix Software」によって、クラウドアプリケーションの配備をはじめとするライフサイクル管理については「Cloud Service Automation Software」によって実現され、CloudSystem上の単一のビューによって統合管理が可能になるとする。
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特定の業種に向けたクラウドサービスとしては、新たに航空会社向けのクラウドサービスである「HP Converged Cloud Services for Airlines」の提供が発表された。これは、予約システムや出発管理といった航空関連業務に特化したSaaSアプリケーションと、各社特有のニーズに対応可能なIaaSとを組み合わせたハイブリッド型のサービスとなる。同社では、このサービスを、航空会社がシステムへの初期投資や管理コストを抑えつつ、迅速に収益を上げるためのクラウドであると位置づけている。
さらに、ノートPCに加え、スマートデバイスやタブレットなどの導入でモバイル化が急速に進んでいる企業向けの新たな印刷ソリューションとして「HP ePrint Enterprise 2.0」の提供が発表された。これは、Androidデバイス、iPhone/iPad、BlackBerryといったモバイル機器から、企業内のネットワークプリンタや公共の施設に設置されているePrint対応プリンタに対して容易に出力を行えるクラウドプリンティングソリューションだ。
現在、各デバイス向けのePrintアプリケーションは170万回以上ダウンロードされ、FedEx OfficeやThe UPS Storeをはじめとして、2万1000カ所を超えるパブリックロケーションでのプリントアウトに対応しているという。最新のバージョンでは、対応言語が10言語に拡張されたほか、セキュリティも強化され、ロールベースでのポリシー管理も可能となった。さらに、新たにEquitrac、Pharos、SecureJetの3つのプルプリンティングソリューションとの互換性も追加されている。
そのほか、クラウドに関する人材の育成についても注力するとした。同社のエキスパート認定プログラムである「HP ExpertONE」において「ASE(Accredited Solutions Expert) - Cloud Integrator」「ASE - Cloud Architect」「ATP(Accredited Technical Professional) - Cloud Administrator」といったクラウドの構築、展開、運用技術に特化した認定資格を設けるほか、HP Press Publicationによる関連書籍の提供などを通じて、クラウドに関する知識を有する技術者の育成を進めていくという。
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