NetScalerを利用し、企業向けのクラウドサービス「absonne」を提供するユーザー企業として、新日鉄ソリューションズのITインフラソリューション事業本部ITエンジニアリング事業部absonne2・0Grの部長である早瀬久雄氏が登壇。サービス開始直後はASP/SaaSの基盤として利用するユーザーが多かったが、「この2年くらい、企業の基幹システムとしての利用が増えている」という実態を紹介した。
ユーザー企業から上がる声としては、「他社のネットワーク機器を共有したくない」などネットワークに絡んだリクエストが多く、同社ではネットワークアーキテクチャの見直しに踏み切った。その結果、「テクノロジの進化もあり、お客様ごとにネットワークを分割し、提供するようになった。メンテナンスの際に他社に影響を及ぼさないなどメリットが出ている」(早瀬氏)
再登壇したPotti氏は、クラウドのネットワークにはElasticity(弾力性)、Expandability(拡張性)、Simplicity(単純性)という3つの要素が必要であると言及、「3つとも備わっているのがNetScalerである」と説明した。
最後のゲストスピーカーとしてアマゾン データ サービス ジャパン代表取締役社長である長崎忠雄氏が登壇。「Amazonとシトリックスは重要なパートナー関係にある」としてAmazonの提供するサービスが「物理的制約を超えたIT調達を実現する」と説明した。
長崎氏は「これまでITの見直しで進められてきたのはより安く、早く、簡単にを実現するための改善アプローチであったが、AWSとシトリックスが提供するのは、これまでできなかったことを実現する改革アプローチ」と話した。実際に最近では海外展開の際にAWSを活用し、従来のIT構築とは早さ、コスト、期間が全く異なるレベルで実現する事例が増えているという。
再び登壇したDholakia氏は「クラウドではない」という要素として、(1)次世代仮想化サーバではない、(2)トップダウンではない、(3)特定ベンダーにロックインされない、(4)孤立した島ではない、(5)インフラではない――という5つを挙げた。
「インフラはビジネスの目的を達成するために必要なものではあるが、クラウドはインフラではなく、やりたいことを実現するためのソリューションである。Amazonをはじめとしたサービスプロバイダーが成功しているのは、インフラをクラウド上で展開しているからだ」(Dholakia氏)
Dholakia氏は「クラウドとはこういうものではないんだという観点から考えてみると、クラウドの深いところまで理解できるのではないか?」と提起して基調講演を締めくくった。
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