とは言うものの、ネットワークスイッチの設定を行い、あらかじめ登録しておいたMACアドレスの機器しか接続できないようにしておくといった対策を講じることはできるはずだ。それぞれの機器やコンピュータには固有のアドレスが割り当てられているため、すべての機器のアドレスを控えてホワイトリストに追加しておけば、ほとんどの問題は回避できるだろう。しかし、悪意があれば、こういった対策の裏をかくことはもちろん可能だ。また、Network Access Protectionを使用して未知の機器が接続されないようにしておくのも手だろう。この機能は「Windows Server 2008」といった最近のサーバシステムであれば必ず搭載されている。これにより未知の機器が自動的に検出され、その機器があなたのセキュリティポリシーに合致しないものであれば、隔離されるようになる。
あなたの会社の従業員に関係するセキュリティ上の脅威として、セキュリティに関する適切な訓練を行えていない、あるいはしっかりしたセキュリティプラクティスを強制できていないという状況も考えられる。こういった場合、パスワードや、受容可能な使用に関する適切なポリシーを制定し、そういったポリシーすべてを明確に伝えておくことで、従業員のセキュリティ意識の育成に寄与できるはずだ。
最後に、ソーシャルエンジニアリングやフィッシングといった手段を用いてユーザーをだまし、重要な情報を得たり、施設や機器への物理的なアクセスを行うという、人間の社交性を逆手に取った最も初歩的な手法についても忘れないようにしてほしい。最近のニュースで見かけた脆弱性攻撃手法として、マルウェアを仕込んだUSBメモリを会社の駐車場にいくつか落としておき、それを拾った従業員が職場のコンピュータに接続するように仕向けることでネットワーク内にマルウェアを感染させようとするというものがあった。大金をはたいて侵入検知システムや企業向けファイアウォールを購入することは、外部からの攻撃を防ぐうえで極めて効果的な手段となり得るものの、企業ネットワークに対する現実的な脅威はしばしば企業ネットワークの内側に潜んでいるのである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。