適切なライセンスがないと、緊急時には、単純にDRシステムが動作せずライセンス確認のエラーで止まってしまったり、適切なライセンスを購入しなかったことで、違反金やその他の罰則を科せられたりする可能性がある。
3.スタンバイサーバのライセンス要件
すべてのベンダー、そして通常はすべてのOSが、異なるライセンスのルールを持っている。例えばOracleにデータ復旧とバックアップの話をすれば、それはスタンバイサーバとしての利用であり、それに応じたライセンスが必要だと言うはずだ。しかし、Oracleの契約条件では1年に4回まで物理的なバックアップコピーのテスト(テストごとに2日間まで)を許している場合が多いため、必ずしもライセンスが必要だとは限らない。ポイントは、必要以上にライセンスを買うことは避けるべきだが、各サーバが必要とするライセンスは確保しなくてはならず、メーカーがDR用の余分のコピーを許していない場合には、これにバックアップサーバも含める必要があるということだ。これは不必要な経費のように見えるかもしれないが、ソフトウェアのライセンスを適切に所有していなければ、法律や規制に適切に準拠していなかったとして、厳しい罰則やその他の法的措置の対象になってしまうかもしれない。
4.定期テストのコンプライアンス
すべてのDR計画の重要な側面に、緊急事態への備えができていることを確認するための定期テストがある。DRサーバをスタンバイ状態から完全な稼働状態に移行するには、異なるライセンスが必要になるかもしれない。ライセンス契約に書かれている契約条件によっては、テスト目的であっても30日間の災害復旧用一時ライセンスが必要な場合もある。別の選択肢としては、恒久的な災害復旧ライセンスを購入するという方法もある。このライセンスは、年に2回以上災害復旧テストを行わなくてはならない顧客や、恒久的な災害復旧用マシンにソフトウェアをインストールしておき、いつでも利用できる状態にしておきたい顧客のニーズに対応している。
5.コンプライアンスを保つ
多くの異なるライセンスと要件を管理するのは、控えめに言っても大変な作業だが、特にリモートアクセスのためのツールやMicrosoftのクライアントアクセスライセンス(CAL)が加わると困難は大きくなる。よい解決法の1つは、信頼できる販売代理店を1つか2つ選んで、自分の組織のニーズに合わせたソリューションに必要なライセンスの取得と維持を任せるという方法だ。代理店をパートナーとし、自分たちの計画の全体像を理解してもらうとよい。同時に、ソリューション一式に対して、かなりの値引きを引き出すこともできるだろう。